元DeNA・乙坂智が語るメキシコ生活のリアル「家のアパートでお湯が出るだけで、マジで幸せ」 (3ページ目)
乙坂智をはじめ、安樂智大もプレーするメキシカンリーグ photo by Ryu Voelkelこの記事に関連する写真を見る── アメリカのアトランティックリーグ時代に10時間以上バスに乗っていたのと比べれば、何でもない?
乙坂 平気です。移動も「日本だったら」って考えちゃうじゃないですか。そう考えずに、「うわぁ、雲、きれい!」とか、いかに考えないようにするかにフォーカスします。
── 人間修行としてすごい境地ですね。
乙坂 たしかに(笑)。
── 話していると脱力感が伝わってきます。
乙坂 本当ですか(笑)。幸福度がものすごく上がりました。家のアパートでお湯が出るだけで、マジで幸せですし。これまでの"当たり前"が当たり前じゃなくなっているんで、今はいろんなことに感謝できます。
【メジャーに近づくほど壁の高さを感じる】
── メジャーリーグへの夢はどうですか?
乙坂 最初は憧れみたいな感じだったんですが......同じ「メジャーに行きたい」でも、当時と今では多少違いますね。
── 今季開幕前のインタビューで、「海外FAやポスティングじゃなくて、メジャーを目指す後進のためにもこういうルートもあるんだと示したい」と話していました。今は?
乙坂 僕が行けても行けなくても、正直どっちでもいいと思うんです。ただ、行ける可能性があるのは見えたので、それは大事かなと。もちろん達成すれば、めちゃくちゃうれしいですし、大きなことだと思います。ただ、今はそれだけじゃないって感じます。そこに行くために日々の目標を達成していくんですけど、その先にあるかもしれないし、ないかもしれない。もちろんそれを目指していますけど、日々、落ちている幸せを一つひとつ味わいながらやっている感じですね。
── メキシカンリーグからメジャーに移籍する選手はけっこういますね。
乙坂 ポスティングや海外FAじゃなくても、ここからメジャーに行く選手はいます。アトランティックリーグもそうですけど。可能性はあると思うんですよ。ただ僕自身で言うと、近づけば近づくほど「壁は高い」って感じています。
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