元DeNA・乙坂智が語るメキシコ生活のリアル「家のアパートでお湯が出るだけで、マジで幸せ」 (2ページ目)
今年が野球人生でベストシーズンだと語る乙坂智 photo by Ryu Voelkelこの記事に関連する写真を見る── 僅差は何点ですか?
乙坂 そこがわからないんですよ。審判のさじ加減。でも野球選手にとって、ヒット1本がデカイじゃないですか。それでもリプレー検証を全然やってくれない。以前、本当はフォアボールのはずなのに"ファイブボール"までいったこともあったんです。そういうことも重なって、ちょっと手が出ちゃいました。
【疲れを残さないために考えすぎないこと】
── 海外に来て、打撃面で変化したことはありますか。
乙坂 日本人投手は足を上げてグッと前に来てと、投球動作で似たようなタイプが多いですが、こっちはアメリカ、メキシコ、ドミニカ、ベネズエラなど多くのタイプがいて、いろんな間合いで投げてきます。それに対応するには動きをなるべく小さくして、自分があまり動きすぎないことは大事だと感じます。
── いろんなタイプの投手に対応する必要があるのですね。
乙坂 はい。細かく言うとけっこうあって。僕はベネズエラのウインターリーグにも行きましたけど、同一カードの3連戦がなくて毎日相手が変わる。だから、配球のつながりがないんです。でもメキシコだと同一カード3連戦があって、配球のつながりはある。翌日に違うチームと対戦する場合でも、そのチームは3連戦の映像を見ているから、それも含めた配球をしてくる。あとは移動がタフなんで、疲れを残さないとか。
── 疲れを残さないためには睡眠と栄養ですか。
乙坂 そうですね。あとは考えすぎないこと。何とかなる──そういうメンタリティはマジで最強だなと思います。
── 移動は過酷ですか。
乙坂 飛行機は(メリダから遠征先の)直行便がなくて、まずはメキシコシティに行ってから経由便に乗るんです。たとえば火曜日に移動だったら、朝4時に家を出て6時の飛行機に乗って、昼過ぎにビジターについてそのまま試合とか。それはきついです。
── バス移動は?
乙坂 メリダからタバスコだと5、6時間くらい。あとはカンクンまで3時間くらいですね。
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