楽天・早川隆久が2ケタ勝利にこだわる個人的理由 「早稲田の先輩たちの背中を追いかけていきたい」 (3ページ目)
次期エースとしてのチームの信頼を高めている今シーズン。開幕投手が果たすべき最低限の回答は、2ケタ勝利である。早川自身もそうだが、じつは楽天が誕生してから19年間、そこに到達した左腕は誰ひとりいない。
ストレートに、早川にそう向けた。
「それは今年、自分が達成しなければいけないことだと思っています」
すぐさまそう反応した左腕は、「あと......」と個人的な想いも打ち明けた。
「早稲田出身でご活躍されている先輩たちの系譜も受け継がないといけないというか。和田(毅)さんや有原(航平)さんもそうですし、大学時代にお世話になった先輩で言えば、大竹(耕太郎)さんと小島(和哉)さんも2ケタ勝利しているんで、『今年は勝たないとな』っていう使命感と、ちょっとしたプレッシャーと(笑)。偉大な先輩たちの背中を追いかけていきたいな、という気持ちもあります」
楽天は交流戦の最終戦で初優勝を決めた。
名門・早稲田の誇りを背負い、未踏の地への到達を約束する早川は交流戦で3試合に登板し、1勝ながら無敗。防御率は脅威の0.39と、球団初の快挙の大きなピースとなった。
今年の早川は、やはり違う。
そのマウンドを目の当たりにすれば、誰だってそう確信するはずである。
著者プロフィール
田口元義 (たぐち・げんき)
1977年、福島県出身。元高校球児(3年間補欠)。雑誌編集者を経て、2003年からフリーライターとして活動する。雑誌やウェブサイトを中心に寄稿。著書に「負けてみろ。 聖光学院と斎藤智也の高校野球」(秀和システム刊)がある。
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