オリックス投手陣は主力が軒並み離脱中も明るい兆し 星野伸之が期待を寄せる若手は? (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――同じ左ピッチャーとして、佐藤投手のピッチングをどう見ましたか?

星野 右バッターに対してのクロスファイヤー(利き腕とは対角線上のコースに投げ込む真っ直ぐ)が効いていましたね。バッターが戸惑っている感じがしましたし、すごく窮屈そうに打っていました。それと、フォークボールのキレもよかったです。

 ここまでのローテーションを踏まえると、本来であれば曽谷が投げる日だったと思うのですが、そこで支配下登録したばかりの佐藤を先発起用したところに、先発ピッチャーの駒が足りないなりの戦略を感じます。「佐藤の球なら何とか抑えられるのでは」という考えがあったんじゃないですか。

――また近いうちに登板の機会がありそうですね。 

星野 あると思います。打たれるまでは登板させるでしょう。佐藤もそうですし、齋藤も含めてプロ初勝利を挙げたことが自信になるでしょうね。

 今季のオリックスは僅差で競り負ける試合が多い印象でした。ここ数年は、逆に僅差を守り、ワンチャンスを生かして勝つことが多かったんですけどね。ただ、若いピッチャーが出てきたことで、宮城や山下が戻ってきた時に先発陣の層が厚くなる。当然リリーフ陣の頑張りもあった上でのことですが、僅差で勝てる"らしい試合"も増えるでしょうし、今後のさらなる巻き返しに期待したいですね。

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【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。


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