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オリックス投手陣は主力が軒並み離脱中も明るい兆し 星野伸之が期待を寄せる若手は? (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――チーム状態がよくない時期に、遠征の疲れが追い打ちをかけた形ですか?

星野 そうですね。ピッチャー陣全体の調子がよくない状況では、比較的にコンディションの調整がしやすい先発ピッチャーがいかに長いイニングを投げられるか、がポイントになります。しかし、多くの投手が先制点を与えたくない気持ちが強すぎて、立ち上がりから全力で投げてしまっていた。リリーフ陣が充実していれば5回まででもいいのですが、手薄な現状だと長いイニングを投げてほしいですし、遠征が続いて体力的に苦しい時期はなおさらです。

 曽谷龍平が(5月25日の)西武戦で先発した時も、「少しでも長いイニングを」ということでだいぶ引っ張りましたよね。結果的に6点を取られて7回途中で交代しましたが、その次に登板した中日戦では7イニングを無失点で抑えましたし、曽谷なりに成長していると思うんです。そういった部分的に明るい材料はあっても、チームとして束になりきれていない時期が続いていましたよね。

――長いイニングを投げるためのポイントは?

星野 たとえば、150kmの真っすぐを投げられるけど、追い込むまでは145kmぐらいの真っすぐで投げるといったように、最大の出力で投げる球は温存しておくんです。場面によってはギアを入れてもいいと思いますが、基本は145kmぐらいで投げる。

 僕の場合は平均球速が120km台と遅かったですが、追い込むまではマックスより5km程度遅い球を投げるなど、僕なりに長いイニングを投げるために最大出力で投げる球は温存してましたからね。気持ちは全力だけど、ギアの入れどころはわきまえる。そういう"八分投球"の意識も必要だと思います。

【リリーフ陣は「肩を作るタイミングの見極めが大変」】

――リリーフ陣もなかなか揃わずに苦しい状況ですが、新戦力が頑張っています。今季から加入したアンドレス・マチャド投手はいかがですか?

星野 安定感抜群ですし、「マチャドで打たれたら仕方がない」という存在になっていますね。平野がいい状態で戻ってきてくれると少しは楽になるのですが、今はマチャドにかかる負担が大きくなります。ただ、途中加入した(ルイス・)ぺルドモが戦列に加わりますし、リリーフ陣の層は厚くなるでしょう。

 ぺルドモは昨季、ロッテで残した実績がありますし(42ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手を受賞)、彼がしっかり投げられるのであれば、先発ピッチャーも少し早めに交代できるかなと。かといってぺルドモに頼りすぎるのではなく、中嶋聡監督は本田仁海など今いる中継ぎとうまく併用していくと思いますけどね。

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