篠塚和典と元木大介が分析する巨人の投手陣 菅野智之、大勢の状態は? ドラ1ルーキーの課題、クローザーの人選も語った
読売ジャイアンツOB
篠塚和典×元木大介 スペシャル対談・中編
(前編:阿部慎之助監督の指導者像と野手陣のポジション争い>>)
篠塚和典と元木大介による読売ジャイアンツOBのスペシャル対談。中編では、昨季のチーム防御率がリーグ5位(3.39)だった投手陣の課題や、期待するピッチャーなどについて語った。
篠塚氏との対談で笑顔を見せる元木氏 photo by 村上庄吾この記事に関連する写真を見る
【「もっと出てこないと」と奮起に期待の投手】
篠塚和典(以下:篠塚) (阿部)慎之助は「ピッチャーがたくさん欲しい」って言ってたよ(笑)。
元木大介(以下:元木) やっぱり欲しいでしょうね。
――今季は菅野智之投手が復調傾向ですね。
篠塚 大介、そのあたりはどうなの?
元木 現状のコンディションはよさそうです。ここ数年、シーズンを通して戦えていなかったので、首脳陣はホッとしているでしょう。ただ、いかに過去の実績がすごくても、今はある意味でルーキーと同じような立場であるとも言えるので、結果次第だと思うんです。今年で35歳と、ベテランと言われる年齢になってきていますしね。それと、急に登板を回避するようなことがあると、チームに迷惑がかかります。それだけはなくしてほしいなと。
一方で若いピッチャーは誰が出てくるのかとなると、山﨑伊織や、昨季の後半はよかった赤星優志あたりがもっと出てこないといけません。赤星はおとなしい性格なのですが、「俺もいるぞ」と感じられる強い気持ちがほしい。現状では新しい選手ばかりが目立っているので、投球内容や立ち振る舞いで自分の存在をアピールしてほしいです。
――赤星投手は、昨季8月以降は6試合投げて5勝。防御率1.36の成績を残しました。
元木 成績はよかったのですが、昨季の後半は、我々の現役時代(クライマックスシリーズがない時代)で言うところの"消化試合"でしたから。順位もある程度決まってしまい、個人タイトルばかりに目がいってしまう状況で抑えても、それは違う。優勝争いをしている時とは違う、ということを自分で感じてもらいたいんです。昨季の後半がよかったから「よし、今年も」という甘い考えではやられると思います。
篠塚 先発の3番手、4番手あたりで期待したいピッチャーだよね。
元木 もちろんです。昨季の後半のようなピッチングができるのであればいいですが、先ほども言ったように、相手チームの主力が休んでいた試合もあったと思いますし......。優勝争いをしている時にあのピッチングができたら、先発ローテーションに確実に入ってくると思います。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。