ロッテで「いきなり13、14勝するかも」とOB清水直行が若手投手に注目 野手では「体がひと回り大きくなった」藤原恭大に期待

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

元ロッテのエース・清水直行インタビュー 後編

投打で期待の選手について

(前編:佐々木朗希のメジャー挑戦騒動は「周りがとやかく言うことではない。両者の間で決めた条件がすべて」>>)

 昨年は2位に躍進したロッテ。ベテラン選手や外国人選手の活躍が目立った一方で、若手選手の伸び悩みが近年の課題となっている。清水直行氏に聞く後編では、突き抜けてほしいと望む注目の若手選手について語ってもらった。

キャンプで安打を放つ藤原photo by Sankei Visualキャンプで安打を放つ藤原photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る

【肉体改造した藤原への期待】

――春季キャンプなどの様子から、清水さんが今年注目している選手は?

清水直行(以下:清水) 藤原恭大選手です。昨年に比べて、筋力トレーニングなどの成果で体がひと回り大きくなりました(一部報道によると、体重は約5kg増の86kgに)。キャンプ中の練習試合でも力強い打球を飛ばしていますね。やはり「体から変えていかなければいけない」と思ったんでしょう。

 もともと右膝に故障を抱えたままプロ入りしていましたし、下半身が脆かったんです。でも、今では下半身もどっしりしてきましたし、上半身の力もついてきました。これまでは技術とか小手先で対応しようとしていた部分を見直し、体作りに本格的に取り組んでくれたのは嬉しいですね。アーリーワーク(早出練習)もしていましたし、ランニングなども元気にこなしていて、コンディションもよさそうです。

――過去のシーズンでは、好調な時期があっても長続きしないことが大きな課題でした。今年はシーズンを通して好不調の波を小さくしたいですね。

清水 肉体改造もそうですが、今までやったことがないことに思いきってトライした時は、"白黒"がハッキリすると思うんです。「やってよかった」とか、「やりすぎたな」といったように、何かしらの答えが出るはず。たとえうまくいかなくても、結果を分析して改善していけばいいと思うんです。なので、思い切って体をスケールアップした今年は期待しています。2000年生まれの「年男」ですしね。

――外野は藤原選手や、ベテランの荻野貴司選手や角中勝也選手を含めて、今年はポジション争いが激しくなりそうですね。

清水 昨年オフに吉井理人監督と話した時には、「みんな頑張ってくれたけど、特にベテランが本当によく頑張ってくれた」と言っていました。しかし逆に言えば、若手にもっと出てきてほしいということ。藤原選手のほかにも、ケガからの復活が期待される髙部瑛斗選手や、打撃が少しずつよくなってきている和田康士朗選手など、みんなに突き抜けてほしいです。

 ただ、個人がポンと突き抜けた数字を残したところで、チームはそれほど変わりません。例えば、2022年は髙部選手が「ブレイクした」と言っていい活躍を見せましたが、チームは5位でした。もちろん個人の頑張りは必須ですよ。ただ、チームとして出塁率が上がった、得点圏の打率が上がった、打球方向がよくなった......といったように、打線全体で束になって攻められるかが重要であり、相手にとって脅威になります。なので、試合中の戦術の徹底はもちろん、全員が競争意識を持ってチームを底上げしていってほしいです。

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