2024年プロ野球新外国人野手の過去を紐解く 「バケモノ」と呼ばれるパワーの持ち主は? (2ページ目)
短縮シーズンの2020年もその特徴は変わらず、38試合で10本のホームランを打ったが、打率.167と出塁率.209に終わった。翌年の開幕直後、レンジャーズは契約の残り金額をほとんど負担する形で、マイナーリーガー2選手と交換にオドーアをニューヨーク・ヤンキースへ放出した。
そこからは、ヤンキース、ボルチモア・オリオールズ、サンディエゴ・パドレスと渡り歩き、計296試合で32本塁打、打率.204と出塁率.283。昨年7月にパドレスから解雇されたあとはFAのまま過ごした。その後、オドーアを欲しがる球団は現れなかったのではないかと思われる。30歳と、パワーはまだ十分ありそうだが、打率と出塁率の低さはこれまでと変わらない可能性が高い。
アギラーとレイエスのシーズン最多本塁打は、オドーアよりも多い。ほかの点を比べても、パワーはオドーアをしのぐ。また、アギラーは6月末で34歳だが、レイエスは7月に誕生日を迎えてもまだ29歳だ。
2022年以降の不振がなければ、レイエスは今年もメジャーリーグでプレーしていただろう。最初の4シーズン、2018年〜2021年のうちOPSが.820を下回ったシーズンは.795の2020年しかなかった。そのパワーはすさまじく、インディアンズでチームメイトだったカル・クアントリル(現コロラド・ロッキーズ)は、3年前の夏に「相手チームも彼の打撃練習を見たがるんだ。彼はバケモノさ」と『MLB.com』のジャスティス・デロス・サントス氏に語っている。
不振の理由ははっきりせず、殿堂入り選手のブラディミール・ゲレーロとデビッド・オルティーズからもアドバイスを受けたものの、復調はできていない。だが、新たな環境(NPB)がプラスに作用すれば、パワーを再び発揮して1年でメジャーリーグに戻ってもおかしくない。
オドーアやレイエスと異なり、アギラーはやや遅咲きだ。2014年〜2016年のメジャーリーグ出場は計35試合に過ぎず、ホームランはなし。26歳で迎えた2017年に133試合で16本塁打を記録して開花の兆しを見せ、その翌シーズンには35本のホームランを打った。
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