元巨人左腕・池田駿が難関国家試験に合格 野球は「戦士」公認会計士は「魔法使い」? (4ページ目)

  • 門脇正法●取材・文 text by Kadowaki Masanori
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【寮で得意のピアノリサイタル】

ーー高校卒業後は当初目指していた筑波大学ではなく、専修大学へ進学されました。

 新潟明訓の野球部の監督から「せっかく甲子園に出たんだから、野球で専修大に話をつけておいたから」って言われて(笑)。専修大でも教職課程をとっておこうと申し込みをしたんですが、野球の関係で授業がどうしても受けられなくて、単位がとれませんでした。その分、野球で頑張ってみようかなというふうに思いましたね。

ーー大学時代の野球はどうでしたか?

 大学4年間では、大した成績を残していないんです。手術もして、正直、なんでこんな痛い思いをしてまで野球をやっているんだろうと思った時期もあって......。でも、大学でいろんな方々とつながれたのは本当によかったです。

ーーどんな人間関係だったんでしょう?

 大学入学時は、4年生が大人に見えて、すごく怖かったんですよ(笑)。でも、人間的にもすごいなと思う方々がいて、こういう大人になりたいなと思えました。

ーー寮生活はいかがでしたか?

 寮の部屋にピアノを置いていたんですよ。ピアノは中学の時に独学で始めて、合唱コンクールや卒業式で歌ったことはなくて、ずっとピアノでした。

ーーちなみに、プライベートではどんな曲を弾くんですか?

 クラシックだとショパンやベートーヴェンが好きです。自分で曲もつくったりもしましたね。大学の時は、先輩や同級生が「ピアノ、聞かせてくれない?」と、自分の部屋でリサイタルみたいなこともやりました(笑)。独学だから、完全に自己満足の世界なんですけどね。

ーーなんだか野球部っぽくない光景ですね(笑)。

 大学卒業後、ヤマハに野球で入社しましたが、その面接の時に社長の前でピアノを弾いたんですよ。その時は、ピアノをやっていたことにちょっと運命を感じましたね(笑)。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る