2023年野球界10大ニュース WBC制覇、大谷翔平のMVP、阪神のアレ、オリックス3連覇... (2ページ目)

  • 田口元義●文 text by Taguchi Genki

日本人初のメジャー本塁打王を獲得し、自身2度目のMVPに輝いた大谷翔平 photo by Taguchi Yukihito日本人初のメジャー本塁打王を獲得し、自身2度目のMVPに輝いた大谷翔平 photo by Taguchi Yukihitoこの記事に関連する写真を見る

【大谷翔平がメジャー本塁打王&MVP獲得】

 1年3000万ドル(当時のレートで約43億5000万円)。日本人最高額で単年契約を結び臨んだ2023年シーズン。メジャーリーグ開幕前の3月にはWBCで二刀流としてフル稼働して世界一の立役者となり、MVPにも輝いたエンゼルスの大谷翔平は、この3000万ドルという評価以上の驚異的なパフォーマンスで全米を沸かせた。

 44本ものホームランを量産し、日本人初の本塁打王のタイトルを獲得するなど、バッターとして打率3割4厘、95打点を記録し、長打率と出塁率を合計したOPSはメジャートップの1.066を叩き出した。

 ピッチャーとしても出色のマウンドを披露した。2年連続での2ケタ勝利となる10勝、防御率3.14。132イニングを投げ167個の三振を記録し、奪三振率は11.39と、チームトップの成績を収めたのである。

 2022シーズン、34本塁打、15勝をマークして、1918年のベーブ・ルース以来の「2ケタ本塁打、2ケタ勝利」の偉業を成し遂げたが、2年連続は史上初の快挙。2021年以来となるアメリカン・リーグMVPに満票で選ばれたのは、当然だと称えられた。

 大谷が驚異的なのは、この数字を135試合(ピッチャーとしては23試合)で残したところにある。8月下旬に右ひじの靭帯を損傷していることが発覚。バッターに専念していた9月上旬には右脇腹を痛めて故障者リスト入りしたことで大谷のシーズンはここで終了したが、23年の野球界が「大谷イヤー」であったことは誰もが認めるところだろう。

 そしてシーズンオフ。その価値がさらに高まる。エンゼルスからフリーエージェントとなった大谷は、メジャー史上最高額となる10年総額7憶ドル(約1015億円)でドジャースへと移籍した。右ヒジの手術の影響で来シーズンはバッターに専念するというが、ドジャーブルーのユニフォームを纏った日本の誇りが打席に立つ姿を、世界中が待ちわびている。

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