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「阪神の守備練習には緊張感と熱量を感じた」 高木豊が力説するキャッチボールの大切さと守備に対する意識 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――単純に練習の量を増やすのではなく、「どんなことを意識して練習をするのか」が大事ということでしょうか

高木 そうです。暴投に関してはキャッチボールを見直すことから始めてほしい。ピッチャーやキャッチャーの送球が絡むエラーも多くなっていますからね。ファーストへの送球もそうですけど、普通に捕って投げればダブルプレーなのに、暴投でピンチをさらに広げるなど、そういった場面がすごく目立ちます。

「捕る」技術も同様です。例えばノックでも、至近距離からくる速いボールを処理するといった練習が、グラブさばきを上達させるためには必要だと思います。あと、落球も散見されますね。記憶に残っているところだと、関根大気(DeNA)が広島戦(7月16日)で平凡なライトフライを落球し、それが決勝点につながり負けたこともあった。とにかく、基礎的な練習を疎かにしなければ防げるエラーが多いんですよ。

――エラーが士気に影響したり、他の選手に伝染したりすることもありそうですね。

高木 勝敗に直結しやすいですよね。高校野球でもそうですが、"ドラマ"は必ずと言っていいほど守備の破綻から生まれます。あとは全体的に、打球に対しての反応が悪い。反射神経がちょっと劣っているなと感じます。

 反射神経を含む運動神経が発達するのは12歳ぐらいまで、という理論が広まってきていますが、昔と今での"幼い頃の遊び方の違い"も少なからず影響しているんじゃないかなと。昔は外で、集団でいろいろな遊びをしていましたが、今は「外で遊ぶのは危ない」と言われることも多いでしょうし、遊び場自体が減っています。そういった生活習慣の違いが、プロ野球にも影響しているのかもしれません。

【阪神は守備練習で「空気がピリッとしていた」】

――先ほどピッチャーやキャッチャーが絡むミスが多いとの指摘がありましたが、連携不足で生じるエラーも多い?

高木 チーム全体で取り組む守備練習が減っているのかもしれません。野球のような団体スポーツにおいて「投内連携」などは必須ですし、そういう部分を疎かにしていると、守備が破綻してしまう要因になります。

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