岡田監督や新庄監督も重視する「6番打者」 高木豊が解説するその役割と、現役と歴代で理想的6番を挙げた (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――ちなみに、歴代で理想的な6番打者を挙げるとすれば?

高木 西武の黄金時代の石毛宏典さんです。秋山幸二、清原和博、(オレステス・)デストラーデという強力なクリーンナップの後ろを打っていた時期がありましたが、相手にとっては脅威だったと思います。勝負強くて長打力もあるし、足もあって選球眼もよかった。クリーンナップの後も相手バッテリーは気が抜けませんでしたね。

 勝負強さでいえば、2000年代初めの頃のダイエーでは城島健司が6番を打っていた時期がありましたが、あれもハマっていました。クリーンナップが井口資仁、小久保裕紀、松中信彦と続いてからの城島でしたから。

――高木さんが現役時代に対戦した、セ・リーグの6番ではいかがですか?

高木 1985年にリーグ優勝と日本一を果たした時の、阪神の佐野仙好さんも広角にも打てる非常に嫌な打者でした。7、8番は平田勝男さんと木戸克彦さんで、比較的に打力では佐野さんより劣る打者が続いていたので、勝負を避けられる場合はよかったんですが、避けられない時はきつかったですね。

 あと、中日の宇野勝さんがホームラン王を獲った時(1984年)は6番を打っていたんですが、かなりの脅威でした。意外性もあるし、何よりも、ホームラン王を獲れる実力者が6番にいるチームの余裕ですよ。城島もそうですが、打撃のタイトルに手が届くような選手が6番を打っているチームの打線は間違いなく強いです。

(後編:理想の1番~9番バッターとは? 高木豊が語る「打順」論、歴代プロ野球の「最強打線」についても語った>>)

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る