岡田監督や新庄監督も重視する「6番打者」 高木豊が解説するその役割と、現役と歴代で理想的6番を挙げた (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――現在は1番や2番に入っていますが、6番のほうが機能していた?

高木 5番に誰がいるか、ということでも変わってきますからね。例えば阪神でいうと、調子がよければ佐藤輝明が5番に入る可能性が高くなる。その場合は、状態がいい時の梅野隆太郎が6番に入るのが最適です。彼は繋ぐこともできる器用な打者。今シーズンは6番・森下翔太、7番・梅野となることも多いですが、僕としては5番・佐藤、6番・梅野、7番・森下の並びが理想ですね。

――パ・リーグの6番で機能しているのは?

高木 6番を打っていたわけではないですが、日本ハムの万波中正は僕が考える理想的な6番です。足も長打も、勝負強さもありますから。万波は4番も打てる逸材だと思いますが、6番で成長していくと「最強の6番」になるような気がします。

 チームの4番候補のひとりだった野村佑希が伸び悩んでいることもあって、現在は4番を任されているんだと思いますけど、万波が6番を打てるような打順が組めるようになると日本ハムは本当に強くなりますよ。

 あと、ソフトバンクの中村晃の6番もいいですね。今はチーム事情で1番を打っていますが、再び6番を打つようになったら打線が落ち着いて切れ目がなくなります。彼もやはり、繋ぐことも自分で決めることもできる。ただ、今のソフトバンクには1番がいないですから、中村が担わざるを得ない状況なのかなと。

 万波はちょっとタイプが違いますが、関根、梅野、中村と、名前を挙げた選手は柔軟性があって6番以外の打順でもハマるような気がしませんか? 結局、6番に適しているのはユーティリティーな選手なんですよね。

――走攻守の能力と、勝負強さも大きなポイントですね。

高木 4番あたりからランナーが溜まってきたら、6番の責任はすごく大きくなりますからね。あと、クリーンナップが最強であればあるほど、6番の重要性は高まると思います。クリーンナップが勝負を避けられたら、必然的にランナーがたまった状況で6番にまわりますから。

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