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星野伸之が評価する、パ・リーグ新人王も期待できる若手ピッチャーたち オリの「新怪物」、西武のクローザー候補も (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――ピッチャーとしてワンランク上へいくためには、コントロールを磨くべき?

星野 そうですね。特に重要になるのが「高さ」です。先ほど、山下が低めを打たれると言いましたが、低めの真っ直ぐが重要なのは間違いありません。フォークを持っているピッチャーは、特に低めのストライクゾーンを使ったピッチングが必要になるので、いかに低めに投げられるかが重要です。

 あと、150km台中盤の真っ直ぐが投げられるからと満足しているピッチャーがいるとすれば、その時点でダメですし、どこかでやられますから。147、8kmでも指にしっかりかかってスピンがかかっていれば、高めの真っ直ぐで十分に勝負できます。

――そういった視点で見た時に注目しているピッチャーはいますか?

星野 7年目の投手ですが、ロッテの種市篤暉です。僕が解説をしていた試合で投げていたのですが、ピンチでも真っ直ぐから入っていったり、真っ直ぐをしっかりアウトローに投げていました。その試合での真っ直ぐの球速は147、8kmくらいで、最速でも150kmぐらいだったと思いますが、ボールへの指のかかり具合とコントロールに、種市の強さがあるんだなと感じました。

 プロ入り間もないルーキー、数年目のピッチャーが、周囲に「速い球を見せたい」という気持ちはわかるのですが、プロのバッターは甘くない。アマチュア時代に自信を持っていた球を打たれたり、結果が出なくて抹消されたりを繰り返して「結局はコントロールだよね」というところに落ち着くはずです。なので、それにいつ気づくことができるかが、その後の成長のポイントになるでしょうね。

【プロフィール】

星野伸之(ほしの・のぶゆき)

1983年、旭川工業高校からドラフト5位で阪急ブレーブスに入団。1987年にリーグ1位の6完封を記録して11勝を挙げる活躍。以降1997年まで11年連続で2桁勝利を挙げ、1995年、96年のリーグ制覇にエースとして大きく貢献。2000年にFA権を行使して阪神タイガースに移籍。通算勝利数は176勝、2000三振を奪っている。2002年に現役を引退し、2006年から09年まで阪神の二軍投手コーチを務め、2010年から17年までオリックスで投手コーチを務めた。2018年からは野球解説者などで活躍している。

著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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