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星野伸之が評価する、パ・リーグ新人王も期待できる若手ピッチャーたち オリの「新怪物」、西武のクローザー候補も (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――投球の約30%を占めるカーブも、被打率.098となっています。

星野 ブレーキが効いていてコントロールもいいです。真っ直ぐとカーブを軸にして、たまにフォークを投げるというコンビネーションなので球種は少ないですが、真っ直ぐも変化球もしっかり制球できているので勝ち星がついてきている。

 無理をさせないように球数を制限していると思いますが、フォアボールが多いピッチャーの場合は4回の途中ぐらいで交代せざるを得ないことも多くなります。ただ、山下はコントロールがいいので球数がそれほど増えず、6、7回は投げられますし、ピッチャーとしてのバランスやコントロールも含めて突出しています。

――他の球団で注目している若手ピッチャーは?

星野 西武のリリーフ、大卒1年目の青山美夏人(みなと/2セーブ、1ホールド、防御率2.70)です。プロ初登板がオリックスとの開幕戦で、1点リードの9回に登場したんですが、森友哉にソロ本塁打を打たれて同点にされ、チームも負けてしまった。プロの洗礼を浴びた形でしたが、それでも翌々日の試合で再び9回に起用されて、今度は3点差を守りきって初セーブを挙げました。

 西武のクローザーには実績のある増田達至がいますが、そこで青山を起用したということは、松井稼頭央監督も青山にかなり期待していたんでしょうね。球に力がありますし、スプリットもいいですし、気持ちも強そうな感じ。最近はビハインドの中継ぎで投げるケースが増えていますが、うまくいけばシーズン後半くらいにはクローザーもいけるかな、とも思いますけどね。

 ただ、肩を作る回数が多くなっていき、これから暑くなっていくのでさらに疲労が蓄積される。その経験がないルーキーはキツいでしょうから、シーズン後半に勝ちパターンのリリーフでいけるかは、展望が難しい。今シーズンはビハインドの展開を中心に経験を積ませて、勝ちパターンに起用されるのは来シーズン以降になるかもしれません。

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