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阪神・佐藤輝明と森下翔太の打撃は「重症」か 開幕から「打てない理由」を伊勢孝夫氏が分析 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Koike Yoshihiro

 新人の森下はまだ仕方ないにしても、佐藤は3年目。それで開幕から調子が上がらないというのは、厳しいようだがプロとしてどうかと思う。

 では、どこから手をつければいいのか。私は考えから見直すべきではないかと思う。具体的に言えば、率を残したいのか、それともホームランを打ちたいのかということだ。決して一方を捨てろと言っているわけではない。だが、現状は両方を求めてどっちつかずのバッティングになっている。

 たとえば、ヒットを狙うのか、ホームランを意識して打席に入るのか......それだけでも狙い球や打ちにいくカウントも変わってくる。

 これはあくまで私の個人的な意見だが、佐藤はホームランを狙い、打ち損ないがヒットになるという考え方でいいのではないかと思う。3割は打てなくても、30本塁打を打てれば十分ではないか。

 そしてもうひとつ、気になっていたのは打順だ。開幕から5番に佐藤、6番に森下という並びだった。これだと相手は「佐藤を歩かせても、森下でアウトをとればいい」という発想になり、佐藤への攻めがより厳しくなってしまう。

 もし森下が打ちまくっていたら、佐藤を歩かせてはならないという考えになり、より慎重な攻めになっただろう。そうなると逆に失投やコントロールミスが多くなり、仕留められたボールも多くなったのではないか。

 いずれにしても、佐藤は重症だと思う。結果的に打った試合もあるが、根本的なスイングは変わっていない。この佐藤の状態については、岡田彰布監督も承知しているはずだ。あとは岡田監督がどういう形で判断を下すのか。そこがポイントかもしれない。

著者プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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