ヤクルト守備陣を支える名ノッカーたち 村上宗隆のひと言で森岡コーチは「スイッチノッカー」を目指す (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 3月、浦添キャンプを打ち上げたヤクルトは、まずは4日にロッテとのオープン戦(ZOZOマリンスタジアム)。試合前のノックを眺めていると、森岡コーチがサードを守る奥村に対して「まだ数球ですけど、やはり実戦のほうが上達するので(笑)」と、右でノックを打っていた。

 目指すところは"スイッチノッカー"だ。

「ノック名人になりたいですね。河田さんもうまいので、どうやって打っているのかという話は聞きます。僕のなかでの名人は絶対に高代延博さんで、捕らせる打球と意地悪な打球を使い分けていたなと。自分もいつかは、選手から『こういう打球、お願いします』と言われたら、簡単に打てるようにならないといけない。その域にはまだまだ達していませんが(笑)」

 選手のプレーはもちろんだが、プレーボールの少し前に球場に来てノッカーたちが放つプロフェッショナルな打球にも注目してほしい。

プロフィール

  • 島村誠也

    島村誠也 (しまむら・せいや)

    1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。

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