青木宣親が村上宗隆に贈る唯一のアドバイス 「弱いところを見せなかった」イチローのリーダー像や3度のWBCを振り返った (2ページ目)
青木はWBCに参加することの意義について、次のように語る。
「代表でプレーするということは、すごいプレッシャーがかかって大変なんです。でも、それを振りきって自分のことに集中できた。それを経験したことが自信になって、どんどんステップアップできた。メンタルも鍛えられましたし、今もこうして野球選手を続けていられるのは、WBCの経験が大きいと思います」
【イチローは弱い姿を見せなかった】
なにより、WBCに参加した青木にとって大きかったのは、イチローの存在だった。青木がプロ入りした時は、すでにイチローはメジャーでプレーしており、WBCまで会ったこともなければ、生の姿を見たことこともなかった。
初めて会ったのは、日本代表の福岡合宿。イチローに聞きたいこと、イチローから学びたいことで溢れていた青木は、合宿初日、イチローのうしろをついて歩き、隣のロッカーをゲットした。
「あの時、ムネ(川﨑宗則)や今江(敏晃)も行きたがっていたからね。イチローさんはどんなふうに行動するのか、すごく気になったし、実際、ものすごく勉強になりました」
青木が学んだことは、技術だけではなかった。リーダーとしてチームを引っ張る姿に、一流選手のすごさを見たという。
「とにかくイチローさんは弱いところを見せなかった。『一流選手とはこうなんだ』ということを学びましたね。いろいろなリーダーがいると思うけど、イチローさんは存在感で引っ張るタイプ。試合に対してしっかり準備して、100%の集中力で臨む。イチローさんならではのリーダー像というか、すごかったですよ」
第1回大会から3年後の2009年に開催された第2回WBC。青木は再びイチローとチームメイトになった。
そして韓国との決勝戦、イチローが同点で迎えた延長10回にセンターへ決勝の2点タイムリーを放ったシーンは、今でも名場面のひとつとして強く印象に残っているが、それまでは苦しんでいた。38打数8安打(うち6本が単打)の打率.211。打点もわずか2と大不振に陥っていた。
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