「大谷翔平はらしさ全開。いろんな種類のスライダーを投げていた」「湯浅京己は8回確定か」吉見一起が侍ジャパンの勝利と投手陣を分析 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Sankei Visual

 ただし、先頭バッターを出しても、しっかり無失点でベンチに帰ってくることが大切です。ホームランを1本打たれましたが、しっかり役割を果たしてくれました。大会初登板ということで多少の緊張感や不安もあったかもしれませんが、大会で一度投げたことで本来の戸郷投手になっていくと思います。

 その後を受けた湯浅投手は、真っすぐ、フォークともに完璧でした。3者連続三振という結果でしたが、仮に三振という結果が出ていなかったとしても、投げているボール自体が本来のものでした。中国戦の出来を見て、今後も8回は湯浅投手で確定なのではと感じさせるような投球内容でした。

 日本は7回の牧選手のホームランで流れを引き寄せ、さらに追加点を奪って快勝。キャッチャーを除けば山川穂高選手以外の野手はみんな出場し、勝利できたことも2戦目につながっていくと思います。対戦相手の韓国は初戦のオーストラリア戦を落としたので、日本とは雲泥の差です。

 注目は先発のダルビッシュ有投手。大会前には実戦で投げていませんが、彼のピッチングが試合を大きく左右すると思います。

 打線は初戦に続き、いい状態で臨めるでしょう。4番の村上宗隆選手が少しよくないように見えましたが、中国戦で立った5打席を無駄にすることはないと思います。彼はズルズル引きずる選手ではないですから。

 誰もがご存知のように、韓国は強豪です。初戦を落としたことで、並々ならぬ気持ちで向かってくるでしょう。

 でも初戦をモノにし、よりいい形で臨めるのは侍ジャパンです。中国にもいい形で勝利しましたが、韓国戦ではそれ以上の試合ができるはずです。そう感じさせてくれるくらい、好スタートをきることができました。

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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