「大谷翔平はらしさ全開。いろんな種類のスライダーを投げていた」「湯浅京己は8回確定か」吉見一起が侍ジャパンの勝利と投手陣を分析 (2ページ目)
一方、打っては4打数2安打。4回のタイムリー二塁打は、ストレートと変化球の両方を待ちながら、うまく引きつけて打ちました。8回にもライト前に弾き返しましたが、打球速度がどの選手よりも速いですね。本人も「調子がいい」と言っていたとおり、状態のよさを感じました。大谷選手は投げて打ってと、まさに"二刀流"がしっかり発揮されたと思います。
もうひとり、打線で目を引いたのは1番に入ったラーズ・ヌートバー選手です。4打数2安打2四球と、6打席のうち5回塁に出て1番打者の役割を果たしました(相手の失策で1度出塁)。
なかでも大きかったのが初回、初球をセンター前ヒットにしたことです。ピッチャーは試合の先頭バッターを塁に出すか、出さないかですごく変わってくるものです。先頭を出すと、地に足がつかないまま投げることになりますから。ヌートバー選手が初球を打って出塁したことで、相手ピッチャーは自分のペースではなくなったと思います。
実際、2番の近藤健介選手から12球続けてボールになりました。結果的に押し出しによる1点しか入りませんでしたが、チームとして最初からしっかり流れをつかんだのは、ヌートバー選手のヨーイドンのセンター前ヒットがきっかけでした。
この打席以外でも、ヌートバー選手は「さすがメジャーリーガー」というプレーを見せてくれました。3、5打席目のエラーと内野安打はいずれも中国の一塁手が弾いたものでしたが、とらえた打球がたまたま正面に飛んだものです。状態はこれからどんどん上がっていくでしょうね。走塁でも手を抜かないなど、全力でプレーする姿はお手本になる選手だと感じました。ファンの心もつかんだと思います。
【8回の男を確定させる湯浅京己の快投】
一方、大谷選手のあとを受けたリリーフ陣では、第2先発の戸郷投手は3回1失点で7奪三振。マウンドに上がった5回のピッチングを見たら、前回登板の中日戦(3月3日の強化試合)からうまく修正できているのかなと思いましたが、その後を見ると万全の状態ではないように感じました。7回には一死一、二塁のピンチを招きましたが、全体的にボールを見きられているような感じがしたからです。
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