広岡達朗が巨人の正捕手問題に持論「大城卓三よりも年上の小林誠司を第二捕手にしてどうする!」

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin
  • photo by Koike Yoshihiro

 プロ野球の春季キャンプも終わり、いよいよ本格的にオープン戦が始まる。

 昨年4位と屈辱のBクラスに沈んだ巨人の春季キャンプを見ると、投手・野手ともに若手の台頭が目立った。今シーズンは"世代交代"が重要なテーマになるのは間違いないだろう。ただ長年の課題である"正捕手問題"については、いまだはっきりとした答えが出ていない状況だ。

 とりあえず2020年から捕手としてチーム最多出場を果たしている大城卓三がWBCの日本代表に選ばれている間に、かつてのレギュラー捕手・小林誠司を筆頭に岸田行倫、山瀬慎之助が虎視眈々と正捕手獲りへアピールを続けている。

 今年91歳になったばかりの巨人軍大物OBの広岡達朗は、正捕手問題について一家言あるようだ。

昨シーズン、自己最多の13本塁打を放った大城卓三昨シーズン、自己最多の13本塁打を放った大城卓三この記事に関連する写真を見る

【大城は遊び球が多すぎる】

「出場試合数を見ると大城が正捕手という印象になっているけど、遊び球が多すぎるし、疲れてくると集中力をなくし、打撃にもリードにも影響が出る。まだ正捕手という感じがしない。大城について、バッティングはいいが、リード面に難があると言われているようだが、捕手として突き抜けるほどの打撃力ではない。もちろん"打てる捕手"がいいに決まっているが、そんなキャッチャーは12球団を見渡してもひとりいるかどうかだ。どちらかに秀でていれば、それをうまく生かすのが監督の務めである」

 そして広岡は、守備面に不安があるのであれば、コーチが徹底して教えるべきだと指摘する一方で、捕手の存在について次のように語る。

「そもそもリードをインサイドワークという概念で浸透させたのは野村(克也)だからな。たしかにリードは大事だが、一番はピッチャーをいかに気持ちよく投げさせられるかどうかだ。コントロールのないピッチャーに高い要求をしても意味がない。複雑化しすぎると、とくに若いピッチャーは混乱してしまう。そういうことをコーチがしっかりと教えないといけないのだ」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る