DeNAドラフト3位の林琢真は牧秀悟のバックアップじゃない。超ユーティリティープレーヤーが目指す「定位置なき新人王」 (3ページ目)
おそらく本人は、「盗塁能力やバッティングだって自信ありますから!」と声を上げたいに違いない。もしセカンドのポジションが空いているチームだったら、1年間、少々のことは目をつぶって使い続ければ、"新人王"を争えるぐらいの仕事はやってのけるに違いない。唯一の心配事と言えば、持ち味であるスピードゆえの故障......それだけだ。
もし決まったポジションを持たない選手が新人王に選ばれたなら、それはそれで斬新な野球の誕生になって、さぞ痛快なことだろう。林琢真という今まで見たことのない唯一無二のプレーヤーの一挙手一投足に注目したい。
著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。
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