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日本ハムのドラ1・矢澤宏太が山本昌に明かした新庄監督との秘話。「誰の言うことも聞かなくていい」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kai Keijiro

矢澤 大学日本代表候補合宿の時に光電管で測定したタイムが5秒80でした。

山本 えぇ〜、きちっと計ってそんなに速いの? それはめちゃくちゃ速いなぁ。

矢澤 高校までも足は速いほうでしたけど、大学に入ってから「もう負けないな」という自信が出てきました。

---- 足が速くなると、投球にどんな好影響が出ますか?

山本 体幹も下半身も強くなるから、当然ボールは速くなります。下半身がしっかりして、腕も強く振れるようになるから。体幹がすごく鍛えられて、バッティングにもいい影響が出ると思いますよ。

【リリーフ向きと評した理由】

---- 山本さんは2022年のドラフト会議前の時点で、投手としての矢澤選手について「リリーフ向き」と評したことがありました。あらためてその真意を教えてください。

山本 本人は先発希望かもしれないし、あくまで僕が「一軍で大活躍するとしたら」という視点で感じたことなんです。矢澤くんはボールのキレがあるし、三振がほしい場面で狙ってとれるスライダーもある。力投型のイメージもあるので、短いイニングで集中して抑えるイメージが湧きました。とくに今の日本球界はレベルの高い左打者が多くなっているから、左投げのリリーフは非常に重要。そう考えると、矢澤くんはリリーフならすぐに一軍に出られるかなと感じました。本人としては、やっぱり先発がいい?

矢澤 いえ、そこにこだわりはないですね。

山本 もし先発でやるなら、9割の力で放る術を覚えてほしいです。常に全力で投げるのではなく、9割の力でピッと生きたボールを投げられれば、完投できると思います。ダルビッシュ有くん(パドレス)や田中将大くん(楽天)のように、ランナーが二塁にいくまでは球速を抑えるピッチングのほうが疲れませんから。

矢澤 今年に入ってから、球数をたくさん投げても変わらないフォームを追求するようになって、ブルペンでは7割くらいの力加減で練習していました。僕の投げ方では、今は10割の力を出すと200球も投げられない感じだったので。

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