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ドラフト候補も続々参戦。日本初開催のウインターリーグ「JWL」が担う3つの大きな意義 (3ページ目)

  • 松永多佳倫●文 text by Matsunaga Takarin
  • photo by Kyodo News

 大阪桐蔭時代に徳山壮磨(現・DeNA)とバッテリーを組み、早稲田大からHondaに進んだ岩本久重の姿もあった。

「基本、Hondaの1年目の新人が、実戦の場を積むために暖かい沖縄の地で、日々研鑽してプレーしています。誰が見ているかわからないので、毎日意識してやるしかないなと。4人部屋で、16歳のウガンダ人のムサと一緒ですが、野球観の異なる人たちとプライベートからコミュニケーションをとったりして、何かを吸収するのもウインターリーグのよさかなと思っています」(岩本)

【広岡達朗もJWLに好意的】

 必ずしも順風満帆で野球をやってきた選手ばかりではない。新里和寿は、沖縄水産高時代はベンチ入りギリギリの選手として3年間過ごしてきた。高校時代から持っているポテンシャルの高さは誰もが認めるところだったが、メンタル面の弱さから実力を発揮できずにいた。

「高校で野球をやめようと思ったのですが、監督が硬式野球部のある沖データコンピュータ教育学院に推薦してくれて行ったのですが、ちょうどコロナが蔓延して野球をすることもままならなくなって、沖縄に戻ってきたんです。

 そんな時に『てるクリニック』というクラブチームから誘いがありました。そして今回、ウインターリーグの話を聞きつけ、迷わず参加を決めました。野球を二度もやめようとしましたが、周りの方々から救いの手を差し伸べていただき、今回もこういう形で参加できることに強い縁を感じています」

 新里はちょうど観戦していた試合で、リストの効いたバッティングでレフトへ楽々オーバーフェンスの打球を放った。パンチ力のある打棒はひときわ目立ち、すでに独立リーグから声がかかっているという。決してエリート街道を歩んできたわけではない新里は、このウインターリーグに参加したことで希望の光を見出すことができた。

 いったんレールから外れたからといって、すぐにあきらめるのではなく、どんな道があるのかを模索し、少しでもチャンスがあれば勇気を持ってチャレンジすることの大切さを新里は感じたはずだ。

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