高木豊が思う「現役ドラフト」でチャンスが広がりそうな選手たち。レギュラーの壁が厚い大砲候補、かつての12勝投手も (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――候補として考えられるピッチャーは?

高木 ソフトバンクの高橋礼です。先発でブレイクして2019年には12勝(6敗)を挙げましたけど、それ以降は伸び悩んでいるということを考えると、環境を変えることで好転するかもしれません。アンダースローの変則ピッチャーですし、リストアップされれば他のチームが獲ってくれそうです。

 同じソフトバンクの大竹耕太郎も可能性があると思います。左腕で貴重な存在だと思うのですが、ここ3年間は登板機会が少ない。たまに、一軍の先発ローテーションの谷間で投げたりしてゲームを作る時もありますが、シーズン通しては一軍にいられないですよね。ただ、変化球が多才な軟投派で、左腕ですし他に活躍の場はありそうです。

――他にはいますか?

高木 ロッテの国吉佑樹もリストアップされる可能性があると思います。ロッテに移籍した1年目は勝ちパターンの一角を担って活躍しましたが、今年はわずか6試合の登板でしたし、精彩を欠いていました。

 ただ、(ロベルト・)オスナの去就がどうなるかわかりませんし、益田直也も勤続疲労からか以前のような球の力がありません。ロッテとしては国吉の復調に期待している部分も多少あると思うので、そう考えるとリストアップされるか微妙なラインですね。

 ここまで挙げた選手はあくまでも個人的な予想です。現役ドラフトは今回初開催なので、各球団がどんな思惑でどんな選手をリストアップするのかという傾向もわかりません。意外な選手を出してくる可能性もありそうですね。

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に解説したYouTubeチャンネルも人気を博している。

【著者プロフィール】
浜田哲男(はまだ・てつお)

千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る