斎藤佑樹が明かす早大進学の理由とかけ違えたボタン。「もし高校生に逆指名制度があったなら...」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sankei Visual

 次の日の朝も、その次の日の朝もカメラマンがたくさんいて、それまでは普通に登校していたのに、学校の先生が送り迎えをしてくれるようになったんです。

 僕は有名になりたかったわけではないし、聖人君子のような生活をしていたわけでもなかったので、いつも見られている毎日はものすごくストレスでした。今まで買い食いしていたパン屋さんにも行けなくなって......その分、周りのみんながすごく気を遣ってくれました。みんなで一緒に行ってたんだから斎藤だけを置いて行けないよなって。「ああ、そんなこともできないんだなぁ」と思うことの連続で、家と学校をただ往復する生活を強いられてしまいました。

もし早実からプロに行っていたら

 やがて、僕の進路が注目されるようになります。プロか大学か......迷いは、もしかしたら一瞬だけならあったかもしれません。僕は高3の春のセンバツに出てからプロへ行きたいと思うようになりました。

 もしもプロの世界が野球だけでなく、スポーツビジネスやバイオメカニクスの勉強ができたり、英語を学べたり、そういう環境だったら高校を卒業する時にプロを選んでいたかもしれません。

 高校時代、僕は勉強ができていなくて、このままじゃダメになるとずっと思っていました。もしこのままプロになったら、野球も含めて何の武器も持たない大人になってしまうんじゃないかという不安がずっとあったんです。だから、高校を卒業する段階ではプロを選ぶことはできませんでした。

 もうひとつ、当時のドラフトに高校生も逆指名できるルールがあったら、揺れていたかもしれません。1パーセント程度の可能性だったかもしれませんが、プロの話は聞いてみたいという思いはありました。

 このチームに行きたかった、という意味での逆指名ではなく、事前の面談で育成方法とか野球以外の環境とか、そういうことをちゃんと聞いてみたかったんです。そういう機会があったら、プロを考えたかもしれません。

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