ヤクルト若手たちが日本シリーズで得たそれぞれの教訓。「反省が多い」「あの短い間にいろいろあった」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

 奥村は日本シリーズについて「あの短い間に、本当にいろんなことがあったんですけど」と言って続けた。

「一番印象に残っているのはオリックスの中継ぎ陣。ベンチの中にいるひとりとして、いつもと変わらず試合に出ている選手の背中を押すとか、次の1点を全力で奪いにいくんだという気持ちは出していたんですけど......圧倒的な投手力を前にして、なんとかしなければいけないという、焦りじゃないのですがそういう気持ちが生じてしまった。そこはすごく反省していますし、また考え直さないといけないなと思っています」

 赤羽由紘は、今年7月に育成から支配下登録されプロ初安打も記録。日本シリーズでの出場は果たせなかったが、チームに帯同し、ほかの選手と一緒に準備した。

「ベンチ入りは1試合でしたけど、日本シリーズの雰囲気や緊張感を味わえたことは財産になりました。超満員の球場でプレーするのがどれだけ大変なことかも感じましたし、日本シリーズを体験して、あらためて普通にプレーして、普通にアウトをとることがどれだけすごいことなのか、身に染みてわかりました」

 宮本丈は2年連続して日本シリーズの舞台に立った。

「去年は初戦でケガをしてしまって、最初と最後しか出られなかったので、今年は最後までベンチに入ってチームに貢献したいという思いと、個人的にはある意味、去年のリベンジをしたいという気持ちがありました」

 宮本はチームに欠かせないユーティリティ選手として、代打では前述の内山の同点3ランの起点となる二塁打を放ち、先発出場した試合もあった。

「結果が出たところもあったんですけど、うまくいかなかったところのほうが大事かなと思うので、この秋季キャンプではそこを意識した練習をしています。オリックスのピッチャーのレベルの高さをすごく感じたので、自分に何が足りないのかを考えながらやっています」

来季に向けてのそれぞれの課題

 高津監督は松山キャンプを「若手の底上げ」「ライバル意識」を大きなテーマに、宮本をキャプテンに任命。今回取材をした6人の選手もそれぞれの課題と向き合い、来シーズンの飛躍を誓った。

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