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ヤクルト若手たちが日本シリーズで得たそれぞれの教訓。「反省が多い」「あの短い間にいろいろあった」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

 そう反省の弁を述べる丸山だが、スピードを生かしたバントヒットや盗塁も2つ決めた。

「完璧は難しいのですが、そこを求めていきたいですし、それができなければ一軍で生き残れません。これからはそういうところを、よりしっかりとやっていきたいですね」

 2年目の並木秀尊は「去年の日本シリーズはチームに帯同しただけで終わったのですが、今年はベンチに入れたことで、大事な1点をとるためにより頑張ろうという意気込みがありました」と振り返った。

 高津臣吾監督が「代走・並木」をコールしたのは第2戦の11回裏で、同点の二死から盗塁を成功させてサヨナラのチャンスをつくった。

「しびれる場面での代走しかないと思っていたので、練習や試合だけでなく、生活するなかでもこのピッチャーだったらこうしようとか、頭の整理と心の準備は常にしていました。あの場面は緊張していましたが、いつもとちょっと違うところも頭に入れながら盗塁できました。勇気を持って走れたという点では成長を実感できたのですが、深く突き詰めると、二死になってからもっと早いカウントで走れたらよかったという反省点もありました」

圧倒的だったオリックスの投手力

 奥村展征は、昨年の日本シリーズはフェニックスリーグ(宮崎)の宿舎からテレビで見守ったが、今年は「最後までチームと一緒に」という気持ちで初出場を果たした。

 ベンチでは"10番目の野手"としてチームを鼓舞。選手としては第2戦の11回裏に代打で出場。初球をレフト前に運び、一塁に到達すると代走・並木と交代した。わずか1球の勝負だったが、あの打席で得たのは代打の準備の仕方だったという。

「9回までに(川端)慎吾さんや(宮本)丈を代打でつぎ込んでいくしかない展開で、その結果、(同点に)追いついての延長でした。まさに総力戦で、なんとしても次のバッターにいい形で回そう、意味のある打席にしようという気持ちが最大限に出たヒットだったと思います。今回の経験を次に生かしたいと思っています」

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