秋山幸二「わかってるな?」の問いに攝津正は「わかっています」。ソフトバンクのエースはどのように育てられたのか (4ページ目)
――秋山監督にかけてもらって嬉しかった言葉、印象に残っている言葉などはありますか?
攝津 先ほどもお話しした、入団時の"時間の使い方"ですね。それまでも時間を無駄にしているつもりはありませんでしたが、秋山監督に言われてあらためて考え直しました。僕はプロ入りも遅いほうでしたし(JR東日本東北時代、26歳でソフトバンクから5位指名)、最初にそういう言葉をかけてもらえたのは大きかったです。現役時代はずっと、その言葉が頭の片隅にありました。
――時間の使い方で特に意識していたことは?
攝津 やはり監督が言っていたように、"すべてが自分の責任"ということですね。僕はチームの練習が終わったあとに個人的な練習をしていたのですが、試合前はあまり時間がない。なので試合前は、チーム練習が終わったらすぐに自分の練習をするようにしました。先発に転向してからは、登板がない日にいろいろな場所に行って体のケアに時間をかけたり。それが、パフォーマンスの向上につながったと思います。
(後編:「本当に嫌だった」日本シリーズの登板。秋山幸二監督に「鬼の采配」と感じた>>)
【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)
1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後、社会人のJR東日本東北では7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。
【著者プロフィール】
浜田哲男(はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。
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