秋山幸二「わかってるな?」の問いに攝津正は「わかっています」。ソフトバンクのエースはどのように育てられたのか (3ページ目)
――攝津さんは当初は中継ぎで、勝ちパターンの一角として活躍(2年目まで72ホールド)。3年目から先発に転向して14勝8敗、4年目は開幕投手に指名されるなど、秋山監督からの信頼が厚かった印象があります。
攝津 たまに監督室で話もしていましたし、信頼いただいていることは感じていました。それこそ、4年目の2012年の開幕投手を任された時も監督室に呼ばれたんです。
――どんな話をしたんですか?
攝津 前年の2011年に、和田毅さんがMLBのボルチモア・オリオールズに、杉内俊哉さんと(D.J.)ホールトンが巨人に移籍して、主力が一気に抜けたんです。これだけ一気に主力が抜けることってあまりないですよね。前の年に先発ローテーションで回っていた投手が僕だけになってしまったんです。
それで2012年のキャンプの序盤で監督室に呼ばれて、「わかってるな?」と。僕がその意味を察して「わかってます」と答えると、秋山監督は続けて「お前に投げてもらうから、そこ(開幕戦)にしっかり合わせてくれ」と単純明快に言われたんです。
――先発と中継ぎの両方を経験されていますが、ご自身としてはどちらをやりたかった、もしくは、どちらが向いているという思いはありますか?
攝津 中継ぎの時は「先発もやりたいな」と思っていたので、先発に回してもらった時は嬉しかったですね。でも、両方やってみて、「性格的には中継ぎのほうが自分には向いているな」と思いました。
――その理由は?
攝津 僕はやられたら、すぐにやり返したいんですよ。先発だと次の登板まで何日か空きますからね。あと、ブルペンでも間隔を空けて投げるのがあまり好きじゃないので、そういう部分では中継ぎのほうが合っているのかなと。
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