「足は速くない」「メンタルも弱い」のに4年連続盗塁王。なぜ片岡保幸はタイトルを獲得できたのか (4ページ目)

  • 長谷川晶一●文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kai Keijiro

── メンタル面の問題はどのように乗り越えたのですか?

片岡 もう、練習しかなかったですね。僕の場合は「開き直る」とか「切り替える」ということができなくて、いつも後悔したり、引きずっちゃったりしていました。悪いほうにハマってしまうと、なかなか抜け出せなくて苦労しました。だから、自分ができることは練習しかなかったですね。

── 片岡さんと言えば、さまざまな被り物も話題となりました。でも、実際のところは、いろいろ考えながらのパフォーマンスだったんですね。

片岡 あのパフォーマンスは、かなり無理していましたね(苦笑)。「試合途中に帰ってしまうお客さんに、最後まで残ってもらうため」という思いで、お立ち台で被り物をしたけど、そもそもそういうことをするタイプではないんです。そのくせ、目立ちたがりという、ちょっと難しい性格なんですよ(笑)。

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  プロフィール
片岡保幸(かたおか・やすゆき)/1983年2月17日、千葉県生まれ。宇都宮学園高(現・文星芸大付属高)から東京ガスを経て、2004年ドラフト3巡目で西武に入団。俊足を生かしたプレースタイルで07年から4連続盗塁王を獲得。08年には最多安打に輝き、リードオフマンとして日本一にも大きく貢献した。09年、第2回WBC出場。14年、新天地ジャイアンツへ移籍し、15年には通算300盗塁を達成した。その後は度重なるケガに悩まされ、17年に引退を発表した。18年から21年までジャイアンツ二軍内野守備走塁コーチを務めた。

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