大谷翔平は7番、リーダーは村上宗隆、キーマンは近本光司。元WBC戦士・岩田稔が選出する「侍ジャパン」ベストオーダー (4ページ目)

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岩田稔氏が侍ジャパンのキーマンに挙げた阪神・近本光司岩田稔氏が侍ジャパンのキーマンに挙げた阪神・近本光司この記事に関連する写真を見る── ショートも坂本勇人選手(巨人)が長年務めてきましたが、今シーズンはケガによってたびたび離脱するなど、コンディションの面で不安があります。

岩田 ショートは源田壮亮(西武)です。守備力もさることながら、走塁、小技を生かせる。外国人相手となると、源田のようななんでも器用にこなせる選手は重宝すると思います。ピッチャーとしても、すばしっこくて、粘り強いバッターは嫌ですからね。

大谷翔平を7番に起用する理由

── 外野手3人は誰を選出しますか。

岩田 ライトは鈴木誠也、センターは近本光司(阪神)で決まりです。問題はレフトを誰にするか......メジャー経験を買うなら秋山翔吾(広島)がいますし、吉田正尚(オリックス)、佐野恵太(DeNA)、島内宏明(楽天)はバッティングがいい。足に注目するなら塩見泰隆(ヤクルト)、辰己涼介(楽天)の名前が挙がるし、岡林勇希(中日)も楽しみな存在です。誰を入れてもいい仕事をしてくれそうですが、足と勢いを買って塩見にしたいと思います。バッティングなら吉田は頭ひとつ抜けた存在だと思いますが、守備に不安があるということと、DHは大谷がいますので外すことにしました。

── 選んだメンバーで打順を組むとなれば、どのようなオーダーになりますか。

岩田 上位、下位は足を絡めて、村上、大谷で得点する。そういう野球ができるオーダーにしました。

一番・塩見泰隆(レフト)
二番・源田壮亮(ショート)
三番・近本光司(センター)
四番・村上宗隆(サード)
五番・鈴木誠也(ライト)
六番・山川穂高(ファースト)
七番・大谷翔平(DH)
八番・吉川尚輝(セカンド)
九番・甲斐拓也(キャッチャー)

── この打順のポイントを教えてください。

岩田 上位は足でチャンスをつくれるということ。とくに近本は3番に入るといい仕事をしますので、この打線のキーマンだと思います。得点圏にランナーを置いて、村上で還す。さらに、クリーンアップでチャンスを広げたところで、7番に大谷がいる。経験上、7番に一発のある選手がいるのはすごく嫌なんです。ランナーをためて大谷に回したくないですから、5、6番との対戦は慎重になってしまう。相手にプレッシャーを与えるという意味でも大谷の7番は面白いと思います。

── 2009年以来の優勝の可能性はありますか?

岩田 日本の投手陣は世界的に見ても優れていますし、機動力を生かして得点することができれば可能性は十分あると思います。ダルビッシュ、大谷、山本、村上が同じユニフォームを着て試合をするだけでも夢があります。来年の3月が待ち遠しいですね。

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  『消えそうで消えないペン 1型糖尿病と共に生き、投げ切ったからこそ伝えたいこと』(ベースボールマガジン社)

著者:岩田稔

虎一筋16年。 1型糖尿病と共に生き、勝てない日々にも前を向いて腕を振り続けた岩田稔氏が、マウンドでの戦いを終えた今明かす、困難に立ち向かう思考と、これからの夢。 同じ病を抱える人たち、その家族や、悩みを抱えるすべての人へのエールとなる一冊です。

【主な内容】
引退会見での号泣/大幅減俸に眠れなかった夜/鳴尾浜に向かう車で泣きながら熱唱/闘志を奪った新型コロナウイルス/グサッときたトレーナーの言葉/ついに戦力外通告/1日4回の注射と血糖値コントロール/注射はみんなの前で打つ/運動量が減った今は血糖値が下がりづらい/生涯忘れないトリさんとの対戦

【著者紹介】

岩田 稔(いわた・みのる) 1983年10月31日生まれ、大阪府守口市出身。大阪桐蔭高、関西大卒業後、大学・社会人ドラフト希望枠で2006年に阪神入団。3年目の08年に10勝を挙げて先発ローテーションに定着。ゴロを打たせる巧みな投球で存在感を示した。09年にはWBC日本代表で世界一も経験。高校時代に発症した1型糖尿病と共に生き、プロ16年間で60勝、防御率3,38。21年シーズンを最後に現役引退した。現在は野球評論家、阪神コミュニティアンバサダー(CA)として活躍しながら、1型糖尿病の根治に向けた啓蒙活動に取り組む。

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