阪神がドラフトで獲るべきは打てる野手。将来の「投手王国」へ甲子園育ちの本格派も狙いたい
最後の最後まで熾烈な3位争いを繰り広げ、なんとかクライマックス・シリーズへの出場権を手にした阪神。今シーズン、セ・リーグ記録となる開幕9連敗からのスタートだったことを考えると、驚異的な追い上げは賞賛に値する。
猛追を支えたのは、チーム防御率2.67と12球団ナンバーワンの投手陣。
セ・リーグ最多勝で防御率1位の青柳晃洋、防御率2位の西勇輝、さらに伊藤将司、新鋭・西純矢の先発陣。リリーフ陣も湯浅京己、岩貞祐太、浜地真澄、ラウル・アルカンタラに守護神を務めた岩崎優と盤石。とくに、リリーフ陣の防御率(2.39)のよさは特筆ものだ。
筆頭は高松商の浅野翔吾だが...
2020年、2021年と、直近2回のドラフトでは、5位指名までの計10人のうち7人を投手で占めてきた阪神。その点からも、今年は「野手の年」なのかもしれない。
"甲子園のスター"であり、打てて、しかも走れる浅野翔吾(高松商/170センチ・84キロ/右投右打)はその筆頭候補だろう。ただ巨人が1位指名を明言しており、抽選は避けられない。
ほかにも、松尾汐恩(大阪桐蔭/捕手/178センチ・77キロ/右投右打)、海老根優大(大阪桐蔭/外野手/182センチ・85キロ/右投右打)は、能力的にも"ブランド的"にも魅力的な存在だ。
早い時期から大山悠輔、佐藤輝明とクリーンアップを組めるスラッガー候補がほしいというなら、澤井廉(中京大/外野手/180センチ・100キロ/左投左打)と野尻幸輝(法政大/外野手/178センチ・92キロ/右投左打)のふたりもかなりの実力者である。スイングスピードはすでにプロの域に達しており、大きな放物線を描ける澤井、ライナー性の長打を放てる野尻......どちらも甲子園球場の漆黒の夜空に映えることだろう。
昨年、ドラフト7位で獲得した中川勇斗(京都国際)は捕手センスの溢れる選手だが、それでもこのポジションについては将来の備えがほしい。顔ぶれから考えて「打てる捕手」が狙いか。
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