「ボールが消えた」「速くて見えない」カープ黄金期の名プレーヤー・高橋慶彦が驚愕した5人の名投手 (3ページ目)
松本幸行(元中日など)
最後に挙げるのが、中日で活躍した松本幸行さん。ストレートは速くないし、特殊な球種があるわけでもない。それでも松本さんを選出したのは、テンポが恐ろしく早かったから。
キャッチャーからの返球を受ける前にサインを確認して、ボールを捕ったらすぐに投げてくる。しかもコントロールがいいから、どんどん松本さんのペースにはまっていく。構えで立ち遅れてしまうから、いざスイングしようと思ってもタイミングがずれてしまう。だからいい当たりはするけど、すべてファウル。気がついたら2球で追い込まれている......そんなピッチャーやったね。
シーズン20勝を挙げた年もあったし、5年連続2ケタ勝利というのは、名投手の証。投球術という部分で、松本さんは突出していたし、プロのすごさを見せつけられたね。
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もちろん、このほかにも近鉄・野茂英雄のトルネード投法から繰り出されるストレートとフォーク。さらに、西武の潮崎哲也のシンカーや、桑田真澄のフィールディングなど、驚かされたピッチャーは何人もいたが、今回はあえて5人に絞って選ばせてもらった。どの投手もいまだに記憶に深く残っており、これらの名投手と勝負できたことが、自分の成長の糧になったのは言うまでもない。
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