奥川恭伸がメジャーの偉大な大投手から学ぶエースの哲学「勝つことよりも負けないこと」 (2ページ目)
── シーズンに入っても、自分のフィーリングを大事にした調整をするのですか。
「はい。投げることに関してはそうしていきたいと思っています」
── 基本的にメジャーは中4日でローテーションを回すのに対し、日本では中6日が定着しています。グラビンは登板間隔について「腕を休ませすぎると状態がよくなりすぎて、力をうまくコントロールすることが難しくなる。それに間隔が空きすぎると精神面のコントロールも難しい」と話していました。
「昨年は(ほぼ中10日で回ったことで)メンタル面の難しさを少し感じました。今年はどうなるかまだわからないですけど、間隔が短いとまだ違った問題が出てくるかもしれません。1年間を同じサイクルで回るので、気持ちの持ち方はすごく大変かなと思います。調子のいい日、気分が乗らない日......そういう波は必ずあるので、気持ちも体も調整は難しいとあらためて感じています」
腕を使わず、体の中心部を使う
── 先発の球数制限について、マダックスは「アイデアとしてはいいかもしれないけど、自分はリミットをつくらない。試合によってコンディションや相手打線も違うわけだし、なにより体の構造は人それぞれだから」と語っていました。
「今は(先発投手の)100球リミットが、野球界のなかで完全に定着しているというのは事実なので、僕としてはそのなかで1イニングでも多く投げたいという気持ちはあります」
── そのために球数の少ないピッチングを意識している?
「そのためではないですね(笑)」
── またマダックスは「大事なのはリリースポイントを常に一定にすること。それを継続させることができれば、投手生命は自然と長くなる」とも言っています。
「おそらく、その話は(マダックスが考える)投手生命を長くすることのほんの一部だと思うんですけど、ケガをしないためには絶対に必要なことだと思います。リリースポイントが一定ということは、いいフォームで投げられているということなので、いくら投げても体に負担がかからない。リリースポイントにばらつきがある投げ方になるのは、どこかおかしいということなので」
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