引退表明も兄・川端慎吾の言葉で復帰を決意。女子野球のレジェンドが新チームを結成

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

女子野球・川端友紀インタビュー後編
「女子野球への思い」

昨年、日本シリーズで決勝タイムリーヒットを放ち、東京ヤクルトスワローズを日本一に導いた川端慎吾。妹であり、女子野球界のレジェンドである川端友紀が見てきた兄・慎悟の姿とは。友紀が年明けに立ち上げた女子野球の新チームにかける思いについても聞いた。(前編「妹が語るヤクルト川端慎吾」から読む>>)

年明けに「九州ハニーズ」を立ち上げた川端友紀選手(写真=本人提供)年明けに「九州ハニーズ」を立ち上げた川端友紀選手(写真=本人提供)この記事に関連する写真を見る

【記録よりもチーム優先の兄は「カッコよかった」】

ーー前編に引き続き、兄・川端慎吾選手について伺います。たび重なる故障、そして椎間板ヘルニアの手術から見事に復活した慎吾選手ですが、手術以前と以後とで何か変化は感じますか?

川端友紀(以下、川端)
 腰の手術の影響もあるだろうし、年齢も重ねているけど、兄の練習量は増えている気がします。練習強度は体調と相談しながらしているとは思うけど、練習頻度や練習量は若い頃よりも増えていると思いますね。実際に、腰もまだ万全ではないとは思いますが、「手術前に比べて、感覚がよくなった」と言っているので、練習の質は上がっているんじゃないのかなと思います。

ーー「感覚が戻ってきた」のではなく、以前よりもさらに「感覚がよくなった」というのはすごいことですね。

川端
 以前よりも練習量を意識的に増やしているのは年齢的なアプローチなのか、他に理由があるのかはわからないけど、その姿は私も見習いたいと思います。

ーー昨年は"代打の切り札"として活躍しました。「代打の難しさ」とは、どんなところにありますか?

川端
 経験は少ないけど、代打で起用された時はめちゃくちゃ難しいなと私も感じました。ベンチにいる段階できちんと試合に入っていないと、一球目からスイングできないですから。兄はもともと、野球を深く考えるタイプだったから、試合に出ていなくても、自分が出ているような感覚で試合を見ることができるんだと思います。そういう意味では気持ちを入れることは得意なんじゃないのかな。

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