ヤクルト川端慎吾から妹・友紀が聞いた「ポテンヒットが最高」の理由。日本一への決勝打は「理想だった」 (4ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

ーー先ほど話していた左手で押し込むような芸術的なポテンヒットでしたね。

川端 以前、兄が「ポテンヒットが最高のヒットだ」と言っていたことを思い出しました。

ーーそれはどういう理由からですか?

川端
 一番いい当たり、会心の一撃というのはほんの少しポイントがズレてしまうと引っかけてゴロアウトになってしまう紙一重のものなんです。でも、詰まってもいいという思いでいると、多少引っかけても逆に会心のヒットになるんです。できるだけ引きつけて「詰まってもいいや」という思いがあれば、ポテンヒットになるし、ファールで逃げることもできる。兄はいつも「一番やりたくないのは引っかけてゴロアウトになること」って言っています。そういう意味では、日本シリーズのあのタイムリーは、兄にとっては理想のヒットだったと思いますね。

ーー一見すると、「詰まったけど、たまたまいいところに落ちた」と見えるけど、慎吾選手としては理想的なヒットだったんですね。まだまだ伺いたいことはたくさんあります。ぜひ、この続きは後編でお願いします。

川端
 これまでに聞いた兄の話や、練習風景を見ていると、あれは最高のヒットだったんだと思いますね。ぜひ、次回もよろしくお願いします。

(後編につづく)

【profile】 
川端友紀 かわばた・ゆき 
1989年、大阪府生まれ。2009年の女子プロ野球リーグ第1回合同トライアウトに合格し、ソフトボールから野球に転向。兄で東京ヤクルトスワローズの川端慎吾選手とともに、日本初の「兄妹プロ野球選手」となった。京都アストドリームスや埼玉アストライヤでプレーし、女子プロ野球界で首位打者3回、通算打率3割7分3厘などの活躍を見せた。その後、エイジェック女子硬式野球部の選手兼任コーチを経て、2022年に女子野球チーム「九州ハニーズ」を立ち上げた。

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