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ロッテの安田尚憲と藤原恭大はなぜ伸び悩んでいるのか。高木豊は「共通の課題」を指摘 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

 先ほども話しましたけど、バッティングは腕で打つんです。腰は回っても4分の1ぐらいですから、速い球を『腰で打つ』といっても、それでは上体がついてきません。先に体が開いているということですから、それを解決するには『腕をいかに早く振り出すか』が重要なんです。

 バッティングは下半身も重要ですが、意識しすぎると体が開いてしまって腕を使えなくなります。腕を早めに動かすためには、体を止めなければいけません。これは、安田と藤原に共通する課題です。簡単なことなんですが、コーチたちがそれをどう教えるかですね。『バッティングは人によって教え方が違う』とよく言われますが、そんなに的外れなコーチはいないと思いますし、しっかり改善していってほしいです」

 日本のプロ野球界にも着々と広がりを見せるフライボール革命だが、そうしたことにとらわれず、「まずは自分の形(スイングの軌道)を確立することが大切だ」と高木は言う。

「近年はフライボール革命とか、昔でいうアッパースイングが"よし"とされているじゃないですか。昔だったら、あんな打ち方をしていたら『ボールは上からたたけ』なんて言われるんですけど、今はもう言われることはないでしょうね。ああいう振り方がYouTubeなどでも広く推奨されたりしているので。

 ただ、それに応じてピッチャーの攻め方も変わってくるのを忘れちゃいけません。実際に、バッテリーはアッパースイングの弱点である高めを攻めるようになってきていますし、アッパースイングだとボールの上っ面をたたいてゴロになりやすい縦割れのカーブが主流になってきている。"いたちごっこ"なんですよ。

 いろいろな理論はありますが、どんなことが主流になるにしても、最初にやらなきゃいけないことは"自分のスイングの軌道"を持つということです。それを作り上げないと、いつまでたっても安定した成績を残せるようになりません」

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