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高木豊が語る「ビッグボス」新庄剛志。「あ~、やられた」と心を奪われる行動とは? (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【就任1年目でどこまでできたら「成功」か】

――新庄監督といえば、日米で名を轟かせた守備の名手。今季の日本ハムは失策数がリーグワーストでしたが、守備をどう改善していくかは大きな見どころのひとつですし、広い札幌ドームでは走攻守で緻密な野球も求められるかと思います。どんな野球を期待しますか?

高木 僕が一番期待しているのは、"全力疾走"なんです。新庄が現役の頃は、守備位置につく時でも全力疾走していました。新庄も稲葉(篤紀GM)も(森本)稀哲も、全員がそれをやっていた。だからスキがなく見えますし、見ているファンも期待感を抱きます。

 それに、すごく爽やかな感じがするんですよ。「スポーツを見に来た」っていう感じになるんですよね。日本ハムの開幕戦で一番見たいのはそこです。アレをやられたら、僕の心は「あ~、やられた」と持っていかれると思います。

――少年野球チームの減少が叫ばれて久しいですが、新庄監督には野球人気を高めていく存在としても大きな期待が寄せられています。就任会見では「僕が来たからにはコロナはなくなって球場は満員になります。僕はそういう運命なんで」という発言もありましたね。

高木 プロ野球は興行ですから、優勝することだけが成功ではありません。何をもって「成功」と考えるかというのはありますけど、プロ野球は人に見てもらわないといけないスポーツなので、常に札幌ドームが満員になっているという状態は理想です。ただ、それにはチームが勝たないといけないということ。勝つ野球を見せられなければ、お客さんの足は球場に向きません。

 成績がガタガタになってしまって、パフォーマンスだけが目立つようになってしまう状況はよくない。ですが、球場が満員である程度の成績がついてきたら、「成功」と言ってもいいのではないでしょうか。

――2004年に球界再編をめぐってストライキがあった頃、当時日本ハムに在籍していた新庄さんがプロ野球界に明るい話題を提供していました。新庄さんが現役を引退される際には、野村克也さんも「野球界にとって大損失」と話していましたね。そして今回、コロナ禍が続く苦しい中で新庄さんが監督として戻ってきました。

高木 長嶋(茂雄)さんが巨人に誕生したように、世の中を明るく照らしてくれる人っていますよね。野村さんは、ぼやきで人を引きつける。新庄はポジティブで世の中を明るくしていく。だからこそ2人は相通じるものがあったと思うんです。そんな新庄がプロ野球界に戻ってきたわけですし、どんな野球を見せてくれるのかすごく楽しみです。

元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

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