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今オフ移籍の可能性は中日・又吉のみ。なぜ日本のFA制度は活用されないのか? (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

【多くのFA選手が「行使せずに残留」を選択】

 かたや、NPBは動きの少ない冬になりそうだ。

 今オフには97選手がFA有資格者と公示され、そのうち今季取得者は国内FA権が23人、海外FA権は11人。国内FAは登録日数が高卒8年、大卒・社会人出身は7年、海外FAは9年に達すれば取得できる。

 ちなみにMLBでは、サービスタイム(登録日数)が6年に到達すれば、全選手が自動的にFAになる。対してNPBの場合、FAになることを「宣言」しなければならない。

 プロ野球は「保留制度」という一般社会では珍しい契約方式で行なわれており、選手たちは自由に所属先を選ぶことが基本的にできない。そこで選手会が「移籍の自由」を求めて1993年オフにフリーエージェント制度が導入されたが、オーナー側によって"使いにくい"制度に設計された経緯がある(詳細は拙著『プロ野球 FA宣言の闇』を参照)。

 選手には所属球団に「残る自由」もある一方、近年、FA市場は停滞している。以下、今オフの主な選手たちの動向だ。

★千賀滉大(ソフトバンク)
 →行使せずに残留。5年契約で年俸6億円、オプトアウト(契約破棄)権付き
★嘉弥真新也(ソフトバンク)
 →行使せずに残留。2年契約、金額は今後交渉
★石川歩(ロッテ)
 →行使せずに残留。契約の詳細は不明
★菅野智之(巨人)
 →行使せずに残留。契約の詳細は不明
★宮﨑敏郎(DeNA)
 →行使せずに残留。6年総額12億円プラス出来高
★大瀬良大地(広島)
 →行使せずに残留。3年総額8億円
★九里亜蓮(広島)
 →行使せずに残留。3年総額6億5000万円
★梅野隆太郎(阪神)
 →行使せずに残留。3年契約で年俸1億6000万円
★祖父江大輔(中日)
 →行使せずに残留。年俸1億円プラス出来高で複数年契約
田島慎二(中日)
 →行使せずに残留。年俸3500万円プラス出来高
★中村悠平(ヤクルト)
 →行使せずに残留。球団は複数年契約を提示
★大和(DeNA)
 →宣言して残留。2年契約で年俸9000万円
★岡田雅利(西武)
 →宣言して残留。3年契約で年俸3000万円
★又吉克樹(中日
 →宣言して各球団と交渉。中日は3年総額4億円を提示
(※各紙の報道を参照した情報。12月9日時点)

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