今季の助っ人MVPは誰か?【パ・リーグ編】。優勝争いをするチームのキーマンが候補 (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 そのブセニッツに代わって存在感を高めたのが宋家豪だ。2015年10月に台湾の国立体育大から楽天に育成契約で入団し、2017年に支配下登録された右腕は、1軍5年目は1勝3敗24ホールド4セーブ防御率2.56と、勝利の方程式の一角として存在感を増している。

 日本シリーズ5連覇、8年連続クライマックスシリーズ進出を目指すソフトバンクから助っ人MVP候補を選出するのならば、ニック・マルティネスだろう。今季4試合目の登板だった5月22日のオリックス戦から15試合連続でクオリティスタート(6回以上自責点3以下)をマーク。規定投球回には達していないものの、9勝3敗、防御率1.66と抜群の安定感を誇る。

 また、昨季は38ホールドと大活躍して最優秀中継ぎタイトルを獲得した絶対的セットアッパーのリバン・モイネロも取り上げたい。今季はここまでキューバ代表として東京五輪予選を戦ったり、左手首の故障などもあって戦線離脱する時期があったものの、32試合に登板して14ホールド、防御率0.57をマークしている。

 シーズンを通して活躍、という点において"助っ人MVP"は難しいところではあるが、9月15日に一軍再登録されると、あいかわらずの無双ぶり。首位と5ゲーム差をつけられた4位からの逆転Vの原動力となれば、助っ人MVPという称号を得ても不思議はない。

 パ・リーグのペナントレースは、各球団の残り試合も20試合前後と大詰め。首位のオリックスから4位のソフトバンクまでのゲーム差はわずか6しかない。直接対決も残されているなか、ここからチームを優勝に導く活躍を見せた外国人選手こそが、パ・リーグの"助っ人MVP"と言えるだろう。

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