今季の助っ人MVPは誰か?【パ・リーグ編】。優勝争いをするチームのキーマンが候補 (2ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 ディクソン不在の開幕当初にクローザーを任された漆原大晟に代わって守護神となったものの、序盤はセーブ機会での失敗が目立った。だが、腰痛から復帰した6月からは本来の安定したピッチングを取り戻し、『8回=ヒギンス』を確立。現在42試合に登板して1勝2敗22ホールド防御率2.97をあげている(今季成績は10月1日時点、以下同)

 一方、47年ぶりのリーグ1位でのリーグ優勝(前後期制を除くと51年ぶり)を狙うロッテには、助っ人MVPにふさわしい働きの外国人選手が多い。

 レオネス・マーティンは9月19日の日本ハム戦で自打球による骨折で無念のリタイアとなったものの、戦線離脱するまでの成績は打率こそ.249ながら、25本塁打、70打点。打棒に加えて強肩と守備力でも貢献するなど、開幕からチームを牽引したのは紛れもなく背番号「79」だった

 投手陣ではフランク・ハーマンの活躍も目を引く。防御率5.13ながらもリーグ3位タイの24ホールドと、中継ぎとして欠かせない存在感を放っている。

 だが、助っ人MVPとなると、やはりブランドン・レアードだろう。日本球界7年目、ロッテに加わって3年目のレアードは開幕から主に5番を務めて打率.272、25本塁打、83打点。リーグ3位タイの本塁打、リーグ2位の打点をマークしているレアードがマーティンを欠く終盤戦のチームの命運を握っていると言っても過言ではない。

 そのロッテと対照的に、外国人選手のアテが外れたのが現在3位の楽天だ。今季加入した左腕のコンリーが新型コロナの影響で来日することなく契約解除。新外国人野手のブランドン・ディクソンとルスネイ・カスティーヨはコロナ禍による来日の遅れで日本野球への適応に苦しんでいる。

 昨季は46試合で防御率2.86をマークし、シーズン途中からクローザーを任された来日3年目のアラン・ブセニッツは、今季はここまで26試合で1勝4ホールド防御率5.11。開幕直後はコンディション不良で苦しんだが、終盤戦に来て調子を上向きにしている。

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