村上宗隆が史上最年少の100号達成。「こんな子がいたんだ」コーチ陣の言葉で振り返る成長の軌跡
9月19日、ヤクルトの村上宗隆が広島戦で放った今季35号は、清原和博氏が持っていた21歳9カ月の史上最年少100号記録を更新するメモリアルアーチとなった。
悠々とダイヤモンドを1周する若き大砲の姿を眺めていると、これまで村上の将来を期待し、予想以上の成長速度に驚かされてきたコーチたちの言葉を思い出さずにはいられなかった。
史上最年少で通算100号を放ったヤクルト村上宗隆この記事に関連する写真を見る 村上の練習する姿を初めて見たのは、プロ1年目の二軍キャンプ(宮崎県西都市)だった。まず体の大きさに驚き、打撃練習での打球音、飛距離に衝撃を受けた。
二軍では4番を任され、98試合に出場し、打率.288、17本塁打、70打点の成績を残す。9月16日には一軍に昇格し、広島戦(神宮)に「6番・サード」で先発出場すると、プロ初打席初本塁打の鮮烈デビューを飾った。
北川博敏二軍打撃コーチ(当時/現・阪神打撃コーチ)は、村上のプロ1号に「18歳にはとても見えず、すごいのひと言です」と言い、こう続けた。
「逆方向への飛距離がとくに魅力的で、『こんな子がいたんだ』と。実戦ではプロの変化球に苦労すると思っていたのですが、選球眼が普通の18歳の選手とは違っていました。ホームランの数よりも四球の多さが印象に残っています。村上の場合、自分で考えて取り組んでいることが伝わってきたので、まずは本人の打撃スタイルで振らせようと思いました」
一方で、松元ユウイチ二軍打撃コーチ(現・一軍打撃コーチ)は「上で通用するにはもう少し時間がかかると思います」と冷静に語っていた。
「二軍では高めの速い真っすぐに対して、空振りやファウルが目立っていました。軸がブレないよさはありますけど、一軍の速いボールへの対応力が必要です。今はスイングスピードを上げることが先決で、それは本人も感じていると思います」
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