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谷繁元信がパ・リーグ後半戦、6球団の戦力を分析。優勝争いで注目の選手は? (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

「難しい判断です。育成しながら勝っていくという今のスタンスで9月半ばまで投げさせて、『これはもう勝負できる』とベンチが判断すれば、僕は中6日で突っ込んでいくと思います。あと1カ月くらいで判断するところでしょうね」

 4.5ゲーム差の4位が、日本シリーズ4連覇中のソフトバンク。開幕直後から故障者が多く、例年のような強さを見せられていない。

「現状で言うと、上のオリックス、楽天より、力的には少し劣るように感じます」

 谷繁氏はそう話す一方、7月中旬から約1カ月の中断期間が前向きに働く可能性もあると見ている。

「石川柊太は前半戦よくなかったですが、中断明けの8月13日の日本ハム戦は去年のピッチングに戻っていました。千賀(滉大)はこれから投げていくなかでどう状態を上げていくか。中継ぎでは板東(湧梧)が、球が速くていい。攻撃陣ではグラシアルとデスパイネがカギを握ると思います」

 5位の西武は4位・ソフトバンクと4.5ゲーム差、首位・オリックスには9ゲーム差と離されつつある。

「ポイントは山川(穂高)だと思います。一昨年の最後に少し状態を崩し、そこからずっと尾を引いている感じがしますね。タイミングの取り方やスイングの軌道を変えてみても、うまくはまらなかった。僕が見るかぎり、左肩の壁が開くのが少し早い気がします」

 下位打線では呉念庭、愛斗、岸潤一郎と若手がスタメンに定着しつつあるが、「まだ安定感がない」と谷繁氏は言う。

「若手が打って勝った試合もありますが、その数自体は少ない。チームへの影響力はまだ小さいということです。いい選手たちが出てきただけに、本来の西武打線にするためには山川が打つしかありません」

 6位・日本ハムは首位と13ゲーム差、3位・ロッテと9ゲーム差をつけられている。

「不可能な数字ではないし、あきらめる差でもない。数字的に可能なかぎり、そこを目指していかないといけない。でも、逆転を目指していきながら、どこかで少しずつ来年以降のことも考えていくことになるでしょう」

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