検索

セ・リーグの優勝争い。谷繁元信が指名した阪神・巨人・ヤクルトそれぞれのキーマンは?

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

谷繁元信が語るプロ野球後半戦@セ・リーグ編

「パ・リーグ編」はこちら>>

 今季が残り50試合近くとなったなか、セ・リーグは上位3強の混戦模様だ。8月23日時点で首位・阪神と2位・巨人は2ゲーム差。3位・ヤクルトは巨人を0.5ゲーム差で追いかけている(今季の成績は同日時点)。

「戦力の差は正直、今はないですね」

 そう見るのは、元中日の監督で野球解説者の谷繁元信氏だ。それぞれ優勝のポイントはどこにあるのだろうか。

及川雅貴は横浜高から2019年ドラフト3位で阪神に入団及川雅貴は横浜高から2019年ドラフト3位で阪神に入団この記事に関連する写真を見る「阪神は打線が夏場から苦しんでいますが、このまま苦しみ続けることはありません。絶対いつか上がってきます。カギになるのは先発ピッチャーと、抑えの(ロベルト)スアレスにつなぐまでです」

 先発は右サイドの青柳晃洋が9勝2敗、リーグトップの防御率1.87と抜群の安定感を誇る。秋山拓巳は9勝4敗・防御率2.88、ジョー・ガンケルは6勝1敗・防御率2.47、ルーキーの伊藤将司は6勝5敗・防御率2.66という好成績を残すなか、エースの西勇輝は4勝8敗・防御率3.45と負け越し。この右腕が後半戦でどれだけ貯金を作れるかもポイントになるだろう。

 ブルペンでは抑えのスアレスがリーグトップの27セーブ・防御率1.41とハイパフォーマンスを維持する。それだけに、谷繁氏の言うように、いかに9回へつなぐかが重要になる。

「今、本当に信頼できるのは岩崎(優)くらいです。でも、岩崎に疲れが出てくると、少し不安がある。勝ちゲームの中継ぎをいかに整備できるか」

 東京五輪で侍ジャパンの金メダル獲得に貢献した岩崎は、今季36試合に登板して1勝3敗22ホールド・防御率3.34。そのほかの中継ぎには、同じく左腕の岩貞祐太、2017年ドラフト1位の馬場皐輔、8月からブルペンに回ったラウル・アルカンタラらが控える。

 そんななか、谷繁氏がとりわけ期待を寄せるのは、高卒2年目の左腕・及川雅貴だ。

「左ピッチャー特有で、右バッターのインサイドに入るクロスファイアーのストレートがいいですね。まだまだ伸びしろもあるし、"絶対的なピッチャー"になっていければ阪神にとって心強くなります」

1 / 4

奥川恭伸の「2つの姿勢」に活躍の予感。ヤクルトの自主トレで見せた凄さ

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る