セ・リーグの優勝争い。谷繁元信が指名した阪神・巨人・ヤクルトそれぞれのキーマンは? (2ページ目)
及川は今季18試合で防御率1.80と安定した数字を残しており、シーズン終盤の活躍が楽しみなひとりだ。
阪神を追う巨人はシーズン序盤から故障者が多いなか、シーズン途中に投手陣では山口俊、野手陣では中田翔、スコット・ハイネマンらを補強した。不安を抱えていたクローザーでは、8月13日の中日戦で日本最速の166キロを記録したチアゴ・ビエイラの安定感が増してきたと谷繁氏は見ている。
「来日当初はそれほど安定感がありませんでしたが、投げていくうちにだんだん成長していると感じます。ジャイアンツのブルペンは、後ろがある程度安定してきた印象ですね」
となると、ポイントは打線だ。谷繁氏は巨人のリーダーをキーマンに挙げる。
「やっぱり坂本勇人です。5月前半から1カ月ほど離脱しましたが、坂本がいなくなるとチームの全体的な流れが止まるんですよね。坂本が最後まで出て、みんなを引っ張ることができるかがポイントです」
ヤクルトはリーグトップの得点力を誇り、6年ぶりの優勝を狙える位置につけている。3番・山田哲人がリーグ3位の26本塁打、4番・村上宗隆が同トップタイの30本塁打とパワーを発揮し、その後ろでは打率.316のホセ・オスナ、同.284のドミンゴ・サンタナと両外国人も好調だ。
一方、投手陣はエースの小川泰弘が7月上旬に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて約1カ月離脱したこともあり、選手層に不安を残す。東京五輪の中断期間が明けた8月15日のDeNA戦で、先発を託されたのは高卒2年目の奥川恭伸だった。
「前半戦は中10日近く空けるなど、大事にしながら使ってきました。後半戦もDeNA戦の登板翌日に抹消されているので、奥川が優勝のポイントと言えるほどではありません。外国人の(リック)バンデンハーク、サイ・スニードも前半戦は今ひとつでしたし、計算できる戦力ではない。高津(臣吾)監督からすれば、よければラッキー、という感じだと思います」
2 / 4