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川崎憲次郎が今季バケたパの投手4人を診断。19歳左腕の技術に「普通は体がおかしくなる」 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

「初球から打っていけばいいのにと思うけど、戸惑っているのか、みんな初球を待つんです。それくらいテンポがいい。パ・リーグには初球からバンバン打ってくるバッターが多いのに、間が合わないというか、なんなのか。

 本当にストライク先行で、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、というスタイルです。今の時代には珍しいタイプで、むしろ昭和に近い。3周回って今、みたいな」

 高度な投球テクニックを見せているのは、黄金ルーキーの早川隆久(楽天)も同様だ。開幕前から前評判が高かった一方、川崎氏は不安を感じる点もあったという。

「変化球です。ストライクをとるボールと、ウイニングショットに少し苦労するのでは、と思っていました。しかしフタを開けたら、精度がいい。心配して損したな、というのが正直なところです」

 早川はツーシーム、カットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な変化球を誇るが、早稲田大学時代は「指へのかかりがあまりよくなく、ストライクはとれるけど、キレが甘い。コントロールし切れていない」というのが川崎氏の印象だった。

 その不安が露呈されたのは開幕前、3月7日に行なわれた中日とのオープン戦だ。変化球になると腕の振りが緩み、4回3失点と打ち込まれた。

 ただし並のルーキーと違うのは、すぐに改善してみせたことだ。プロ初登板となった3月28日の日本ハム戦で勝利すると、ここまで13試合で7勝3敗、防御率3.39の好成績を残している。

「スライダーを投げると腕の振りが緩んでいたのが、今はまったくわかりません。僕には絶対無理で、『そんなに簡単にできるのかよ!』って思います。そのへんの器用さがありますよね」

 開幕前、川崎氏は早川の1年目について10勝に届くかどうかと予想していたという。それがすでに7勝をマーク。ストレートが通じることはわかっていた一方、対応能力に目を見張っている。

「簡単に言えば、チェンジアップが思うように落ちない時、どうやって打たせるか。低めに投げて誘うとか、引き出しをいくつか持っていると思います。

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