2021.06.06

里崎智也が北京五輪でもWBCでもプレッシャーを感じなかった理由を明かす

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

里崎智也が考える五輪の戦いとプレッシャー

 長くロッテの正捕手として活躍した里崎智也は、2005年にリーグ優勝と日本一、2010年にもチームを日本一に導いた。2006年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でも、正捕手として世界一に貢献している。

 今夏は東京五輪の開催が予定され、日本代表は金メダル獲得を期待されている。2008年の北京五輪に出場した里崎に当時の様子を聞いているうちに、話はプレッシャーと緊張のメカニズムへと発展した。

西岡剛(左)、成瀬善久(右)と共に、北京五輪代表メンバーに選ばれた里崎西岡剛(左)、成瀬善久(右)と共に、北京五輪代表メンバーに選ばれた里崎 この記事に関連する写真を見る ――里崎さんは2006年のWBC、2008年の北京五輪に出場されています。プレッシャーを感じることはありましたか?

里崎智也(以下:里崎) 日本代表で戦うプレッシャーを感じたことは1ミリもありません。選ばれて大会に参加しているんだから、誰にも文句を言われる筋合いはないですし。逆に、日の丸に何のプレッシャーがあるのかを聞きたいですね。

 よく「日の丸を背負う」とか言われますけど、背負わされた覚えはないし、背負う必要がない。代表に選ばれるということは、そのポジションで優れた選手だと認められただけです。うれしいことですけど、自分の力で手にしたものですから、急に「日本のファンのために」となる必要はないですよ。

――よく「選ばれなかった選手のために」という言葉も使われますね。

里崎 それも選考の結果で優劣が決まっただけですから。逆に選ばれなかった選手の多くは、心の中で「負けろ」と思っているはずです。同じポジションの選手が活躍してチームが勝っていったら、ますます自分にチャンスがなくなるということ。メディアの注目も持っていかれて、アスリート人生が窮地に追い込まれるわけですから、内心穏やかではないですよね。