2021.05.31

巨人3年目のドラ1左腕が本格化。恩師が語るハーラートップ快走の理由

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

「今シーズン初勝利を挙げた時、あいつにメールしたんです。『よかったな、頑張れよ。去年は1勝だけだったんだから、今年は5勝ぐらいすりゃいいだろう』って」

 そんな教え子とのエピソードを語ってくれたのは、八戸学院大学の正村公弘(まさむら・やすひろ)監督だ。そしてその教え子とは、今シーズンここまで先発ローテーションの一角として巨人投手陣を牽引している高橋優貴である。

今シーズンここまでセ・リーグトップの6勝をマークしている巨人・高橋優貴今シーズンここまでセ・リーグトップの6勝をマークしている巨人・高橋優貴  正村監督は長く八戸学院大の指導に携わり、これまで2004年に新人王を獲得した元ヤクルトの川島亮や楽天の塩見貴洋、広島のドラフト3位ルーキー・大道温貴など、多くの選手をプロの世界に送り込んできた。

「そしたら高橋から電話がかかってきて、『もうちょっと......10勝ぐらいは』って言うんです。あれっ、いつもの高橋と違うなぁと思っていたら、もう6勝じゃないですか。すげえなぁって思う反面、ちょっと心配もしているんです」
※成績はすべて5月29日現在(以下同)

 高橋は八戸学院大からドラフト1位で巨人に入団して今年で3年目。5月26日の楽天戦で8回途中まで7安打2失点に抑える好投で、今季6勝目を挙げ、セ・リーグのハーラーダービートップに立った。

「今まで何勝できるかみたいな話をしても『そーっすね』しか言わなかったヤツが、自分から『10勝』と言うんですから。こっちも期待しちゃって、投げるたびに見たいなぁと思って......"DAZN"にも加入しちゃいました(笑)」

 正村監督は東北学生界で知らぬ者がいないほど有名な指導者だが、もともとは東海大浦安、東海大、NTT東京で左腕投手として活躍した人物だ。

「4月にセ・リーグの月間MVPを獲って、そのあとしばらく勝てなかったでしょ。その時に『今までよすぎただけで、ちょっと守りに入ってないか?』って言ってやったんです。バックが打ってくれたおかげで勝てているだけなのに、『いいピッチングしなきゃとか、丁寧にいこうとか思ってんじゃないぞ』って。そこまでの力はまだないんです。今までみたいに全力で、がむしゃらに投げないとダメなんですよ、あいつは」