高橋由伸も菅野智之も手にできず。平成以降のハイレベルな新人王争いBEST5 (5ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

●第1位 1998年
セ・リーグは"4つ巴"の争い。パ・リーグはプロ4年目の苦労人に光

 今年の大卒ルーキーが生まれた1998年も、ハイレベルな新人王争いが繰り広げられた。

 パ・リーグは、プロ野球記録の18連敗も喫したロッテを中継ぎとして支えた藤田宗一や、6勝を挙げた真木将樹(近鉄)らを抑えて、プロ入り後に投手から打者に転向し、入団4年目でレギュラーに定着した小関竜也(西武)が新人王を受賞した。

 一方のセ・リーグでは、シーズン終盤まで4選手による激しいタイトル争いが続いた。ルーキーながらリーグ3位の打率.327を記録した阪神の坪井智哉、リリーフとして54試合に登板し、9勝18セーブをマークした広島の小林幹英も、十分に新人王に値する成績を残した。

 しかし票を2分したのは、松井秀喜、清原和博らと巨人のクリーンナップを担い、打率.300、19本塁打をマークした高橋由伸と、防御率リーグ2位の2.57で14勝を挙げ、前年最下位に沈んだ中日のAクラス入り(2位)に貢献した川上憲伸だった。結果は、高橋を22打数1安打(1本塁打)と、完璧に抑え込んだ川上がデッドヒートを制した。

【セ・リーグ新人王候補 主な成績】
☆川上憲伸・投手(明治大→中日)26試合 14勝6敗 防御率2.57

小林幹英・投手(プリンスホテル→広島)54試合 9勝6敗18S 防御率2.87
高橋由伸・野手(慶應大→巨人)126試合 率.300 19本塁打 75点
坪井智哉・野手(東芝→阪神)123試合 率.327 2本塁打 21点

※投票結果:川上111票、高橋65票、坪井12票、小林5票

【パ・リーグ新人王候補 主な成績】
☆小関竜也・野手(国学院栃木→西武)104試合 率.283 3本塁打 24打点

真木将樹・投手(法政大→近鉄)24試合6勝6敗 防御率3.89
藤田宗一・投手(西濃運輸→ロッテ)56試合6勝4敗7S 防御率2.17

※投票結果:小関63票、真木32票、藤田21票

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